乾燥野菜とは、野菜に含まれている水分を乾燥させたものです。備蓄に向く乾燥野菜といえば、何を思い浮かべますか。
私は切り干し大根です。年中使える伝統的な保存食。
が、しかし好物ゆえに、ついつい一気に水に戻してしまい、いっこうに保存できたためしがありません。う〜む、保存食というのか?
乾燥野菜には、大きく分けて、昔ながらの干し野菜・フリーズドライの野菜とがあります。これら二つの乾燥野菜はメリットがいっぱいです。
フリーズドライ製法については、動画もまじえてご説明します。家庭で手軽にできる干し野菜の作り方もご紹介しますので、備蓄のご参考になさってください。
備蓄に乾燥野菜がおすすめの理由
ビタミン・ミネラル・食物繊維が豊富な野菜を、一年を通して食べることができる乾燥野菜は、備蓄に欠かせません。
ほかにも生野菜に勝るとも劣らないメリットがたくさんあります。
備蓄に最適な干し野菜のメリット9つ
野菜を干して乾燥させることで、野菜にはさまざまな効果が生まれます。デメリットといえば、日光・加熱処理によってビタミンA・Cが減少することだけです。
干し野菜にするメリットを具体的に並べてみますね。
・野菜の品質低下が抑えられ、保存性が向上する
・栄養素が濃縮され、生野菜より少量で栄養を摂取できる
・味が濃縮され、旨味などが強くなる
・色が濃くなり、鮮やかになる
・酵素の働きで、香りが生まれる野菜もある
・生野菜では捨ててしまう部分も食べられる
・クセの強い香味野菜の苦みが減る
・独特の風味や食感が生まれる
・容量や重量が減る
ふ〜む。こんなにメリットがあるなら、干し野菜にしない手はない!ですね。
[参考文献:「食の科学“干し野菜”を考える」(谷口亜樹子氏)]
備蓄最強の味方!ほぼ万能のフリーズドライ
日本が誇る最先端のフリーズドライ技術!
フリーズドライとは、言葉どおりの意味。食品を凍らせ、乾燥させることですね。
フリーズドライの仕組み
その仕組みをご説明します。
①食品を凍らせると、含まれている水分は細かい氷の粒になる
②凍らせた食品を、真空に近い状態まで減圧する
(普通は「氷→水→水蒸気」と変化するが、一定の圧力の下では水は昇華して氷になる)
③氷から一気に水蒸気になる現象(昇華)を早めるために昇華に必要な熱を加える
④食品の水分が抜け、乾燥状態になる
原理としてはとてもかんたんですね。しかし、実際に美味しく食べられる食品にするには、想像を超える技術力と創意工夫が必要です。
一つ一つの具材を、その特性に合わせて味つけし、冷凍し、お湯で戻したら元どおり!!!まるで魔法です。保存期間も年単位!
フリーズドライ野菜の栄養価
乾燥野菜の仲間、干し野菜には一つだけデメリットがありましたね。日光・加熱処理によってビタミンA・Cが減少するという点です。
フリーズドライは、高熱を加えないため、ほかの乾燥方法に比べてビタミンの損失が少ないという、まさにいいことづくめ。
風味や食感だけでなく、栄養価も損なわないフリーズドライ。デメリットが見つかりません。
フリーズドライといえば「アマノフーズ」
「日本が誇る」という冠をつけた製品は、かつて世界中にあふれていました。ほとんどが優秀な人材とともに海外へ流出したのは口惜しいことです。
そのなかで、独自の細やかな技術開発を続け、他の追随を許さないフリーズドライ業界。
パイオニアは旧天野実業さんです。「アマノフーズ」でおなじみですね。
商品全体で約150種類あるというラインナップのすばらしさ。定番のお味噌汁から各種お惣菜・パスタ・リゾット・カレー・中華丼…アマノマジックです。
今は、アサヒグループでブランド名を残している「アマノフーズ」!お世話になったことがない日本人はいない(と言い切る。ううむ。)!
私は「アマノフーズ」がなかったら、外国で栄養失調になっていたと思います。この場を借りて、御礼申し上げます。
備蓄生活も、「アマノフーズ」のフリーズドライがあれば、食生活に潤いが生まれます。備蓄こそ、美味しいものは大事です。
備蓄に役立つ干し野菜の作り方
備蓄する干し野菜は、簡単に作ることができます。天気の良い日を選んで風通しのよいところに干しましょう。
〇作り方はわずか3STEPです。
1 野菜を洗って水けを拭き取る
2 皮をむかずにお好みの大きさに切る
3 ざる・ネットに並べて干す
〇干す時間
・日中は外に出し、夕方になったら室内に入れる
・セミドライなら半日から2日程度
・完全に乾燥させるなら数日から1週間程度
〇保存
・備蓄用には完全に乾燥させた野菜を密閉容器に入れて保管
注意点は、天気と湿度です。からりと晴れた湿度の低い日は野菜もよく乾燥します。
湿度が高いとカビが生えますので、梅雨の時期、夏野菜を天日で干すというのは、かなりの冒険です。
乾燥と保存がうまくできたら一年を通して食べられる本物の乾燥野菜の完成です。手間がかかるなあ、うまくできないなあというときは、市販の乾燥野菜を選びましょう。
備蓄最強の味方!フリーズドライ製法
アサヒグループ食品さん作成の「アマノフーズ『工場見学おみそ汁ができるまで』篇」が、とてもわかりすいのでご紹介しますね。
こちらの動画をご覧ください。
乾燥野菜を常備しましょう!
備蓄に乾燥野菜があれば、偏りがちな食生活がととのい、食べる楽しみも味わえます。
干し野菜にはたくさんのメリットがあります。干すことで保存性が向上し、栄養素・味・色が濃縮され、独特の香り・風味・食感が生まれるのです。
捨てるところもほとんどなく、丸ごと栄養が取れます。かさばらないので、収納が容易なのも助かりますね。
家庭で作ることもできますが、手軽に買うこともできます。通販で購入をお考えの際は、九州ドライベジ・薩摩屋・吉良食品の乾燥野菜がおすすめです。
【関連記事:九州産乾燥野菜2選!宮崎の「九州ドライベジ」と千葉の「薩摩屋」】
【関連記事:熊本県吉良食品の乾燥野菜はバラエティー豊か!美味しいレシピもご紹介】
また、フリーズドライは、干し野菜のメリットに加えて、ビタミンの損失も少ない優れた乾燥方法です。
「アマノフーズ」のような優れた技術力を持つブランドから、多種多様な商品が開発されています。
干し野菜やフリーズドライを常備しておき、普段の食事に取り入れながら、いざというときに備えましょう。
新鮮な食材を確保するために、ミールキットのサブスクリプションサービスを利用するという方法もあります。
さらに一歩踏み込んで、家庭菜園を始めてみたいという方にはシェア畑もおすすめです。