アロエ・ヨモギ・馬油は、すり傷やけどの三種の神器。
田舎だったからでしょうか、子どものころ、よっぽどのケガでなければ子どもも大人も病院へは行きませんでした。
アロエは庭先に植えてあり、ヨモギは道端に生えており、買っていたのは馬油だけです。
油はね程度のやけど・虫刺されにはアロエ、血止めはヨモギ、切り傷・やけどには馬油でした。
冷たいアロエの果肉が、熱をもった患部に心地よかったものです。
ただ、アロエはトゲや表皮を切ったりと、少々手間がかかります。
そこへすい星のごとく登場したのが間宮のアロエ軟膏!一家の必需品となりました。
あなどるなかれ、民間療法です。
こちらの記事では、実証されているアロエの効果効能・間宮のアロエ軟膏の有効成分を、さまざまな研究成果をもとにご紹介します。
アロエの種類
キダチアロエ
アロエはユリ科の植物です。
アロエの種類は、世界中で約500種類あるといわれています。
日本のアロエ
日本でアロエといえば、キダチアロエとアロエベラがよく知られていますね。
一方、日本薬局方(日本の医薬品の規格基準書)で医薬品の原料として認可されているアロエは、南アフリカ原産のケープアロエです。
昔から日本の家の庭先にあるキダチアロエは、「医者いらず」と呼ばれてきました。
キダチアロエは、第3類医薬品として市販されています。
第3類医薬品とは、一般用医薬品のうち、安全・健康上のリスクが比較的低い医薬品に分類されるもので、ビタミン剤や整腸薬もそうです。
食用としてのアロエは、果肉の厚いアロエベラが主流です。
薬としてのアロエ・食品としてのアロエ
アロエは薬なのか食べ物なのか?
医食同源といいますね。
しかし、アロエに限らず薬効のある植物を製品化する際となると、薬は薬、食品は食品としての区別が必要です。
そこで厚生労働省では、次のような食薬区分リストを設け、そのリストの中でアロエについても線引きをしています。
〇専ら医薬品として使用される成分本質(原材料)リスト
名称 | 他名等 | 部位等 | 備考 |
アロエ | キュラソー・アロエ/ケープ・アロエ | 葉の液汁 | 根・葉肉は「非医」、キダチアロエの葉は「非医」 |
〇医薬品的効能効果を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質(原材料)リスト
名称 | 他名等 | 部位等 | 備考 |
アロエ | キュラソー・アロエ/ケープ・アロエ | 根・葉肉 | 葉の液汁は「医」 |
キダチアロエ | 葉 | アロエの葉液汁は「医」 |
注1)他の部位が別のリストに掲載されている場合等、その取扱いが紛らわしいものについては、備考欄にその旨記載している。
注2備考欄の「非医」は「医薬品的効能効果を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質(原材料)リスト」に掲載されていることを示す。
この表から、アロエの種類・部位によって医薬品なのか食品なのかを分けていることがわかりますね。
まとめると、
〇ケープアロエの葉の液汁は医薬品の原料であり、食品としては使用できない
〇アロエの根・葉肉およびキダチアロエの葉は医薬品の原料にはできないが、食品や化粧品として使用できる
アロエのアロインの効果効能
アロエの汁の苦味、あれはアロインという物質によるものです。
アロインは、アロエの有効成分として日本薬局方に記載されています。
アロエは健胃薬・便秘薬
アロインを構成する成分のうち、もっとも含量が高いのがバルバロイン。
バルバロインの効果効能で実証されているのは、腸内の水分量を増やし、ぜん動運動を活発にして便秘を解消することです。
このバルバロインの効果効能により、生薬としてのアロエの用途は、瀉下剤(しゃげざい)・健胃薬・常習便秘薬原料となっています。
良薬は口に苦しは本当ですね。
アロエの過剰摂取に注意
ただし、バルバロインも過剰に摂取すると、せっかくの効果効能が台無しになってしまいます。
キダチアロエからは、バルバロインを含む葉全体を使った健康食品が作られていますので、いくら体に良い成分でも食べすぎは禁物ですね。
バルバロインの過剰摂取は、強力な緩下作用により、腹部の疝痛(せんつう)や骨盤内臓器の充血を起こすといわれています。
妊娠中や生理中、痔疾や虫垂炎の疑いがある場合等には注意が必要です。
[静環検査センター生活衛生ニュースより引用]
(注:上記の表で「局方アロエ末」とあるのは、日本薬局方記載のアロエの粉末のことです)
[参考文献:「アロエ含有食品中のバルバロイン含有量及びその安定性」「アロエ健康食品中のバルバロイン含有量」]
[参考資料:奈良県薬剤師会公式サイトhttp://www.narayaku.or.jp/plant/plant60.html]
解明中のアロエの効果効能
アロエベラ
アロエには、健胃そして便秘改善のほかにも抗菌・抗カビ作用・解毒作用・抗潰瘍作用など、さまざまな効果効能があることが明らかになってきました。
アロエには抗がん作用があるのか
たとえば、湯浅勲、湯浅(小島) 明子氏による「アロエ抽出物の抗ガン作用とその作用メカニズムの解明」という研究では、次のような抗がん作用を究明しています。
・アロエには抗ガン作用を有する成分が含まれること
・その成分はガン細胞におけるDNA合成を抑制することによってガン細胞のアポトーシス細胞死を誘導すること
アロエの美容効果
また、アロエベラに含まれる機能性成分アロエステロールの、次のような効果が明らかになっています。
・真皮層のコラーゲン増加
・皮膚のバリア機能(保湿力)や水分量および弾力を維持する効果
細胞からヒトまでの試験結果から、アロ エステロールが皮膚の健康の維持、増進に役立つことがわかりました。
[参考文献:「アロエベラ由来植物ステロールの新規保健機能研究とその応用」]
間宮アロエ軟膏の効果効能
間宮アロエ軟膏は、アロインが豊富なアロエ末(アロエラテックス)と、ケープアロエ葉を乾燥・粉砕したものを使用しています。
ケープアロエ(南アフリカ産)を主成分とする皮膚薬として、日本で唯一製造を認められている軟膏です。
アロエ軟膏の効果効能として、ひび・あかぎれ・切りきず・しもやけ・やけど・ぢ・打身が記載されています。
このアロエ軟膏の効果効能は、単なる謳い文句ではありません。
1966年にはすでに間宮アロエ軟膏の薬理作用を証明する研究結果が世に出ていました。
殺菌効果・実験的火傷の治癒行程短縮・実験的白癬症および人間の白癬症に対する顕著な治癒効果が報告されています。
この研究で使用されたケープアロエは、日本薬局方記載のものとは別物で、間宮製薬独自のものでした。
間宮製薬は小林製薬の子会社となりましたが、間宮アロエ軟膏は不動の地位を保っています。
間宮アロエ軟膏には創業以来今日に至るまで、徹底的に検証された効果効能があるからですね。
企業サイトには、代表製品である「『間宮』アロエ軟膏」に惚れ込んだ小林製薬からの誘いを受け、小林製薬グループの一員となったという経緯が記されています。
間宮アロエ軟膏なしの生活はちょっとつらい。
[参考文献:「Cape aloeの抗菌および抗真菌作用に関する研究」]
アロエの鉢植えと間宮アロエ軟膏
アロエは庭に植えておけば勝手に育つ強い植物です。鉢植えでも手がかかりません。
薬効の豊富な「医者いらず」キダチアロエ、美容効果のあるアロエベラ、ともに医食同源の植物です。
日ごろのちょっとした傷には間宮アロエ軟膏が心強い味方になってくれます。
とにかく「アロエを。あとは日にち薬」という昭和の暮らしをもう一度見直すときかもしれませんね。