お酢のドリンク、飲んでいますか。私は黒酢を炭酸水で割って飲んでいます。
毎日の食事にお酢は欠かせません。
お酢で魚肉が柔らかく煮込めるように、お酢を飲むと体も柔らかくなるという話もありますが、はてさて。
私の体は固いままですが、お酢の効果は日々実感。
さまざまな効果があるお酢は、種類も豊富ですね。お酢が注目を集めるのは、健康維持に役立つと考えられているからです。
お酢のどんな成分がどのような効果をもたらしてくれるのでしょうか。検証されている事実をもとに解説します。
一般的な酢の効果
酢の歴史は古く、紀元前5000年ごろのバビロニア、古代中国では周王朝にまでさかのぼるそうです。日本はといいますと、奈良時代の文書にはすでに調味料として記載されています。
以来今日に至るまで、酢は味噌・醤油と並ぶ発酵食品として私たちの食生活の屋台骨です。
酢にはどのような効果があるのか見てみましょう。
専門的になりますが、次の表をご覧ください。
「酢酸菌の応用」がご専門の多山 賢二博士(広島修道大学健康科学部教授)の論文「食酢と微生物」から引用させていただきました。
調理に酢を使うメリット
まず、酢を調理に用いると、具体的にどんな効果があるのでしょうか。
酢の主な成分は酢酸です。酸味が食欲を刺激しますね。
調理における、酢(食酢)の主な効果を4つにまとめます。
〇殺菌作用
お酢の最大の効果です。これまでに多くの食中毒菌や腐敗菌に対する殺菌効果が認められています。
思い浮かぶのが「しめ鯖」です。昔も今も海から遠く離れた山間部で食されています。
足のはやい鯖をいかに美味しく保存するかと考えたとき、「酢でしめる」のが最適解!
〇減塩効果
料理の塩加減にもの足りなさを感じる、でも塩は増やせない、そんなときはお酢の出番です。
適量のお酢が薄味の料理に深みを与えてくれ、少ない塩でも風味を増してくれます。
[参考:「料理における食酢の減塩効果の検討」日本調理科学会誌 Vol. 42]
〇食材のミネラルを溶出させる効果
お酢には、魚・肉・野菜などに含まれるミネラルを溶かす作用があります。
たとえば食材に含まれるカルシウムは単体では吸収されにくいのですが、お酢をかけることで、吸収されやすい酢酸カルシウムに。
吸収率は50%もアップするといわれています。
〇消臭効果
お酢には、魚肉の臭みを消したり減らしたりする効果があります。
とくに魚の場合は、生臭さを感じさせるのがアルカリ性の揮発成分であるため、お酢の酢酸が中和する働きをするのだそうです。
また、お酢の強い刺激臭が臭みを隠してくれるというのもうなずけますね。
酢の健康効果は?
お酢は機能性食品(摂取により健康増進への効果が期待される成分を含んだ食品)として知られています。
お酢は私たちの体にどのような作用をもたらすのでしょうか。
上記の表の中からわかりやすい効果を改めて挙げてみますね。
〇脂質異常症を伴う体質の改善効果
〇糖尿病の予防効果
〇高血圧症の予防効果
〇骨粗しょう症の予防効果
〇肥満の防止
ほかにも数多くの機能性が秘められているお酢は、日々の食事に積極的に取り入れたい食品です。
【関連記事:生でも美味しい漬けても美味しいらっきょうの効能は?】
お酢を飲んでみる
お酢は料理用だけではなく、飲用ドリンクとしても人気があります。
手作りする場合は、無添加のお酢を使うのがおすすめです。
無添加のお酢については別記事でご紹介しています。
【関連記事:「備蓄におすすめの『無農薬』米で作った九州産・無添加のお酢3選」】
市販の飲用ドリンクは味も原料もさまざまです。飲み方も含めてご紹介しますね。
おすすめの「飲むお酢」
飲むお酢といえば、韓国発の美酢(ミチョ)が話題ですね。美酢は果実を発酵させて作られています。
原料別に4種類の飲むお酢を挙げてみましょう。
〇黒酢…アミノ酸豊富な黒酢。まろやかでコクがあります。
〇果実酢…香りと甘みを感じられるお酢。りんご・いちご・ザクロ・カシス等々。
〇きび酢…サトウキビを原料にしたお酢。奄美伝統の希少な逸品です。
〇もろみ酢…泡盛の酒かすを原料にしたお酢。クエン酸が主成分です。
お酢の飲み方
お酢を飲むときは空腹時を避けましょう。酸の刺激が強すぎて胃粘膜を荒らすおそれがあります。
酢は糖の吸収を緩やかにし、血糖値の上昇を抑える機能性食品です。
飲むタイミングは食事中または食後がおすすめですね。ただし食事が遅くなった場合、就寝前に飲むのはやめましょう。
1日に飲む量は、大さじ1〜2杯(15ml〜30ml)が適量だといわれています。5倍~10倍に薄めて飲みましょう。
過ぎたるは及ばざるがごとしですよね。
毎日のお酢習慣
お酢は調理に使えばこんな効果があります。
・殺菌効果
・減塩効果
・ミネラルの吸収をよくする効果
・消臭効果
また期待できる健康効果としては次のとおりです。
・脂質異常症を伴う体質の改善効果
・糖尿病の予防効果
・高血圧症の予防効果
・骨粗しょう症の予防効果
・肥満の防止
飲むお酢は、タイミングと適量を守って摂取しましょう。
毎日の料理や飲用にお酢を積極的に取り入れて、健康効果を試してみませんか。
鹿児島の黒酢についても別記事でご紹介していますので、よろしければご覧ください。
【関連記事:鹿児島の黒酢はアミノ酸の宝庫!かめつぼの中で何が起きている?】
[参考文献:「醤油・味噌・酢はすごい」(中公新書 小泉武夫著)]