懐かしのソフト麺、給食で食べた!という方もそうでない方もスーパーの棚にひっそり眠る生めんではないのに乾麺ではない不思議なソフト麺をご存知ですね。
お腹が空いたときにスーパーで見かけるとついつい手に取ってしまいます。パッケージのミートソーススパゲティ・ナポリタン・焼きそばの調理写真が食欲をそそるのです。
休日の昼ご飯にどれどれ作ってみようナポリタン!と思い立ち、すぐに作れる手軽さが嬉しいソフト麺。
しかし、あなどるなかれ、ソフト麺。
手抜きで作ると失敗する確率が高い、コツをつかめば昭和の味が楽しめるソフト麺の食べ方をご紹介します。
ソフト麺炒める前にまずフライパン
ソフト麺にもスパゲティ・焼きそば・うどんといろいろな商品がありますね。うどんの場合は、温めなおす時間さえ気をつければ失敗することはありません。
一方、ソフト麺のスパゲティ・焼きそばを作る場合は、ソフト麺を炒めるという難易度の高い食べ方が必要とされます。う〜む。
実は、炒めるテクニックよりも炒める道具が大切なのです。
弘法は筆を選ばなかったかもしれませんが、ソフト麺はフライパンを選びます。
ソフト麺の失敗は焦げつき
ソフト麺の製法は独特です。
麺ができたら、いったん蒸して表面を糊化(でんぷんがのり状になること)させてから茹でます。
表面を糊化させることで、茹でても麺の内部に水がしみこみにくくなり、のびにくいソフト麺ができるのです。
柔らかいけれどのびてしまわないので、調理してから食べるまでに時間がかかる給食用にもってこいだったわけですね。
ふむふむ、よく工夫してあります。
が、この柔らかい、もっちりもちもちのソフト麺、いったんフライパンにこびりつくと、そのもっちり感をいかんなく発揮し、餅のように離れません。
おお、しまった!くっついてしまったと焦るあまり、無理やり引きはがそうとしたり、火力を強めたり弱めたり、はては油を継ぎ足してみたり。
いずれもうまくいかず。
中途半端に引きはがされた麺と麺とが固まりをつくり、パッケージの調理写真とは似ても似つかない別次元の仕上がりとなります。
うまくいくときもたまにありますが、失敗する確率が高く、なかなか美味しく作れない理由がわかったのはつい最近でした。
フライパンの空焼き
師匠は「富士菊」さんのミートソーススパゲティの作り方です。袋の裏面に作り方が書いてありました。
1 温める
2 焼く
3 バターを入れる
4 麺一袋を入れる
5 麺を器に盛りつけてミートソースを掛ければ出来上がり!
ヒントといおうか、正解が2にひそんでいました。
「フライパンを火にかけ、ほどよく焼いてください」と。
よく読まないまま、ソフト麺をフライパンで焼いてねということかと思っていました。
おお!フライパンを焼くんだ!と気づくまで長い年月を要しました。思えば遠くへ来たもんだ…。
この2の工程をわざわざソフト麺の作り方として記載してあるのは富士菊製品だけでは?
空焼きしました、徹底的に。ほどよくとありますが、煙が出るまで焼きました。
この空焼きが功を奏し、フライパンの水気がとび、うっすらと引いた油がフライパンになじみ、ソフト麺は固まることなくさらさらと自然にほぐれていったのでした。
フッ素樹脂加工のフライパンを使っている方もいらっしゃると思いますが、これはあくまでも鉄のフライパンの話です。
鉄のフライパンは使っているうちに油がなじみ、自然にコーティングされ焦げにくくなります。しかし手入れを怠るとサビがこびりついて表面が凸凹に。
この凸凹に麺が引っかかると空焼きしていてもダメです。鉄製のフライパンのサビが頑固でとれにくいときは、ヤスリとスプーンを使うときれいにこすり落とせますよ。
いざソフト麺の調理
さて、調理にかかります。
ソフト麺の美味しい食べ方は、基本、あまり具材を入れないことです。麺の食感と濃厚なソースの味を楽しむのが給食的食べ方です。
そもそも給食のソフト麺には形のある具が見当たらなかった・・・。ソフト麺とミートソース、ソフト麺とカレースープでしたよね。
ソフト麺の炒め方
煙が出るまで空焼きしたフライパンに油を少々入れて全体になじませます。
私はバターを使わずオリーブオイルだけです。焦げにくいのと、バターの風味で昔の風味がやや高級になるのでバターを使っていません。
フライパンにソフト麺をいれて中火で炒めます。このとき、麺を無理やりほぐさないのがポイントです。
菜箸でやさしくほぐして炒めながら自然に麺が広がっていくのを待ちます。
ソフト麺に合う具材
具材を入れる場合は、前もって炒めておくか、少量ならソフト麺を炒め終わった後にササっと炒めましょう。
ミートソースなら具材は入れません。具材を入れるのはトマトソースだけです。
ミートソースに具材を加えてしまうとせっかくのソースが別の味になってしまうからです。ミートソース単独で完成形!
トマトソースの場合は、ソースとはいえ粉末ですので、具材がないとさみしい感じがします。調理写真をまねて具材を入れましょう。
古典的なソフト麺トマトソース味に合うのは玉ねぎ・ピーマン・ウインナーソーセージです。ああ、昭和。
栄養バランスなど考えてしまい、入れすぎてはいけません。主役はあくまでソフト麺とトマトソース。
ソフト麺の味はソースの量で決まる
最後にトマトソースを投入します。ここが味を決めるところです。
ソフト麺のトマトソースは粉末ながら相当の濃さです。トマト味を超えた何者かです。
この濃厚な味がソフト麺の魅力でもあります。
一度にババっと入れてはいけません。
具材と麺にトマトソースの味がちょうどいい具合に絡むように味見しながら入れましょう。トマトソースが足りないということはないと思います。
むしろ、入れすぎを心配したほうがいいです。とくに薄味がお好みの方はソフト麺のトマトソースは屋台の焼きそばソースと親戚だと思ってお加減ください。
ソフト麺のレシピ
ソフト麺を使った人気レシピを、クッキングサイトから3つご紹介します。
詳しくはRkuten レシピをご覧ください。
1 ソフト麺を使った簡単ナポリタン
2 ウインナー入り♪ソフト麺ナポリタン
3 カレー味ソフト麺のオムそば
どれも、ソフト麺本来の「給食の味」を大事にしたメニューですね。ソフト麺はそのまま食べるのが一番美味しい気がします。
ソフト麺の懐かしいあの味を再現してみましょう
ソフト麺は郷愁をさそう食べ物です。
フライパンを十分に空焼きした後、ソフト麺を炒め、お好みで具材・ソースを加えるだけで簡単に懐かしい味を再現することができます。
心が疲れたとき、懐かしい子どものころの味を思い出してみませんか。
常温で保存ができますので、備蓄にもおすすめです。
ソフト麺についてはこちらの記事でも紹介しています。
[関連記事:「ラー麦で作った「富士菊」の焼きそばは常温保存ができる美味しいソフト麺!」]
[関連記事:「ソフト麺のスパゲティなのに福岡県産小麦粉100%しかもミートソース! 」]