お酢（食酢）は味噌・醤油と並ぶ三大調味料です。今や世界中に広まった「スシ」はお酢の代表作。
料理だけではなく、健康のために「飲む」お酢もすっかり定着しましたね。
酢はもともと、添加物を入れずにできる健康的な発酵調味料です。
原料に農薬が使われていなければ、さらに安心して日々の食生活に取り入れることができますね。
備蓄用の調味料としてぜひおすすめしたい「無農薬」（栽培期間中農薬・化学肥料不使用）の米を使った無添加のお酢を九州からご紹介します。
お酒があってお酢がある
お酢はお酒からできます。
そのしくみをご説明しますね。
お酢は発酵調味料
お酢は穀物・果実などの原料に酢酸菌を作用させて作ります。
玄米酢を例に作り方をかんたんにまとめてみましょう。
１ 麹菌に蒸した玄米を入れる
２ アルコール発酵がすすむ
３ お酒ができる
４ お酒に生の酢を加えて酢酸発酵させる
酢酸発酵というのは、お酒に含まれるエチルアルコールが酢酸によって発酵し、酢酸ができるという作用です。
酢酸菌はお酒（の中のエチルアルコール）が好物なのですね。
油断すると酢になるお酒
飲みかけのワインを放っておいたらいつの間にかビネガーに変身！というのはよくあることですね。
最初からワインビネガーにするつもりで半分だけワインを飲むという場合もあるかもしれませんが、高価なワインではもったいなくてとてもできません…。
名付けて「うっかり酢」、気をつけましょうね。
お酢の種類
お酢にはさまざまな種類があります。
まず、大きく分けると「醸造酢」「合成酢」の二種類です。
〇醸造酢…原料を酢酸菌で酢酸発酵した発酵調味料。
〇合成酢…氷酢酸（高純度酢酸）または酢酸の希釈液に砂糖類等を加えた液体調味料。
合成酢には、醸造酢に氷酢酸を加えたものもあります。
JAS規格による分類
食酢の区別は日本農林規格（JAS）でさらに細かく規定されていますのでご紹介しますね。
醸造酢は穀物酢（米酢・米黒酢・大麦黒酢）と果実酢（りんご酢・ぶどう酢）に分けられます。
〇穀物酢とは
醸造酢のうち、原材料として１種又は２種以上の穀類を使用したもの（野菜、その他の農産物及びはちみつを使用していないものに限る。）で、その使用総量が醸造酢1Ｌにつき40ｇ以上であるもの
| 米酢 | 穀物酢のうち、米の使用量が穀物酢1Ｌにつき40ｇ以上のもの |
| 米黒酢 | 穀物酢のうち、原材料として米（玄米のぬか層の全部を取り除いて精白したものを除く）又はこれに小麦若しくは大麦を加えたもののみを使用したもので、米の使用量が穀物酢1Ｌにつき180ｇ以上であって、かつ発酵及び熟成によって褐色又は黒褐色に着色したもの |
| 大麦黒酢 | 穀物酢のうち、原材料として大麦のみを使用したもので、大麦の使用量が穀物酢1Ｌにつき180ｇ以上であって、かつ、発酵及び熟成によって褐色又は黒褐色に着色したもの |
〇果実酢とは
醸造酢のうち、原材料として1種又は2種以上の果実を使用したもの（野菜、その他の農産物及びはちみつを使用していないものに限る）で、その使用総量が醸造酢1Ｌにつき果実の搾汁として300ｇ以上であるもの
| りんご酢 | 果実酢のうち、りんごの搾汁の使用量が果実酢1Ｌにつき300ｇ以上のもの |
| ぶどう酢 | 果実酢のうち、ぶどうの搾汁の使用量が果実酢1Ｌにつき300ｇ以上のもの |
「無農薬」米で作った九州産の無添加酢
お酢は無添加、原料も「無農薬」（栽培期間中農薬・化学肥料不使用）のお酢があります。
醸造元の心意気が込められたこだわりのお酢です。
九州は長崎・熊本・福岡の醸造元から選りすぐりのお酢をご紹介します。
どれも瓶詰のお酢です。におい移りの心配がないので、安心して保存できますよ。
長崎県「川添醸造」の純米酢
長崎の無添加酢なら川添醸造さんの純米酢です。
川添醸造さんは、明治33年の創業以来、昔ながらの麹造り・酢造りを続けていらっしゃいます。
「水良ければ必ず良い品ができる」という教えを引継ぎ良質な水・原料・環境（炭）にこだわった醸造元です。
驚くべきは、工場の環境。
総計25トンの活性炭や備長炭を地中や壁に埋め込み、空気や水などの環境を整えているそうです。麹菌の「居心地」も格別にちがいありません。
玄米酢の原料は滋賀県の「無農薬」・無化学肥料の玄米です。
今回ご紹介するのは、新商品！
川添醸造さんの地元である長崎県西海市の合鴨農法米を使用して作った純米酢(発芽玄米の酢)です。
備長炭を敷き詰めた熟成室のカメの中で静置発酵法（酢酸菌の力だけで発酵させる伝統的な製法）により、じっくり時間をかけて発酵させています。
有機酸・アミノ酸に富み、まろやかな風味の純米酢です。
熊本県「松合食品」の純玄米酢
熊本の無添加酢なら松合食品さんの純玄米酢です。
松合食品さんについては別記事にて詳しくご紹介しています。
【関連記事：醤油を備蓄するなら無添加でコクのある九州産醤油はいかがですか】
松合食品の純玄米酢の玄米は、栽培期間中、農薬・化学肥料を使わず育てた熊本県産玄米です。
この玄米を100％使用し、静置発酵法でじっくりと醗酵・熟成させた、無添加玄米酢。独特の旨味がありますよ。
福岡県「江﨑酢醸造元」の合鴨米酢
無添加のお酢でしかも合鴨酢。
福岡県八女市の「江﨑酢醸造元」さんが有名です。
地元「八女農業高校」の実習田で収穫される合鴨米を使用しています。
合鴨米を麹にして、発酵に3か月以上、さらに低温で熟成させることでまろやかな味わいを生み出しています。
貴重な合鴨米で作った本格派の無添加酢でありながらお手ごろな価格です。
賞味期限は2年とありますが、これは風味を考えた控えめな数字ですね。
八女農業高校の生徒さんたちに感謝しながらいつも美味しく戴いています。
備蓄調味料に無添加のお酢
無添加の酢は酢酸菌の力でできる発酵調味料。
添加物を加えず昔ながらの静置発酵法でかもされるお酢、そのうえ原料が「無農薬」であれば安心して料理・飲用に使うことができますね。
瓶詰でにおい移りの心配がなく長期保存できる無添加のお酢は、備蓄にもおすすめです。
購入先・価格について比較検討される際には、こちらの記事に詳細を載せています。
【関連記事：原材料は全て「無農薬」！通販で買えるおすすめの九州産無添加調味料［購入先・価格］】
黒酢についても別記事でご紹介していますので、どうぞご覧ください。
