備蓄におすすめの玄米

無事救出!備蓄3年の古古古米を食べてみてわかった意外な保存方法とおいしい食べ方

こんにちは。ジャックです!

お久しぶりです。

食料品の値上がりを危惧して備蓄に関する記事を書いてきました。しかし、あまりの食料高騰に、久しく新しい記事を書いていませんでした。何をおすすめするにも異様に高すぎて。

そうしているうちに令和の米騒動が始まりました。

3年前に備蓄した、いわゆる古古古米の玄米を「発掘」して食べています。ある日のこと、大箱の底から白米の古古古米を発見しました。

エジプトの遺跡で古代の遺物が完璧な保存状態で見つかったときの気持ちに近い(かも)!

米の保存方法の記事を書いてきたからにはご報告の義務があると思い、保存状況と食べた感想を正直にお伝えいたします。

古古古米とは?その特徴

古古古米(こここまい)とは、収穫から3年以上経過したお米を指します。

一般的に、古米は新米ではないお米を意味し、古古古米はその中でも特に長期間保存されたものです。

古古古米は、保存状態によっては味や食感が変わることがありますが、適切に保存すれば美味しく食べることができます。

最近は、災害時の備蓄米として注目を集めるようになったワードです。

古米・古古米・古古古米の違い

古米、古古米、古古古米という呼称の違いは、収穫からの経過年数に基づくものです。法的な定義は存在しませんが、一般的に以下の通りに分類されます。 

古米: 収穫されてから1年が経過したお米(前年産のお米)

古古米: 収穫されてから2年が経過したお米(前々年産のお米)

古古古米: 収穫されてから3年が経過したお米

これらの分類は、農林水産省が定める米穀年度(11月1日から翌年10月31日)を基準にすることが多いです。

この期間は、米の収穫時期を考慮したもので、10月31日の年度末の属する暦年(例えば、2021年10月31日なら2021年度)となります。

経過年数が長くなるにつれて、一般的に以下のような特徴があります。

・水分量の低下: 長期保存により水分が少なくなり新米に比べて硬い食感になる

・味や香りの変化: 酸化などにより新米特有の香りや甘みが薄れるといわれる

・品質: 昔は古米は品質が落ちるとされていたが現在の低温・定湿度で管理された適切な保管状況では品質が大きく損なわれないこともある

古古古米の栄養価について

「古古古米」は収穫から3年以上経過したお米を指しますが、新米や通常の古米と比較して栄養価に大きな違いはないとされています。 

・新米との比較: お米は古くなっても主要な栄養成分(炭水化物・たんぱく質など)が劇的に失われることはない

・微量栄養素: ただし長期保存によりわずかにビタミンEなどの一部の微量栄養素や風味が酸化などによって低下する可能性はある

古古古米の品質について

一般的に古古米の品質については、新米に比べて次のような特徴があると言われています。

〇食感・味:水分が減少し、炊き上がりは新米より硬めになりやすい。うま味や甘みも新米に比べて弱くなります。粒によってはパサつきやボソボソした食感になることがある。

〇におい:「古米臭」と呼ばれる、油が酸化したような独特のにおいがすることがある。このにおいは、炊き上がると軽減される場合もある。

〇見た目:新米のようなツヤが出にくく、やや黄ばんで見えることがある。長期保存により粒が割れ、粒の大きさにばらつきが出やすくなる。

3年前に精米した白米の保存方法

3年前の11月に無農薬無肥料の新米を購入しました。

備蓄用ですので、ほとんどが玄米です。ただ、この時期ならではの新米を味わうために白米も買いました。

備蓄は白米より玄米

玄米が備蓄に向いている理由はよく知られるようになりました。

▶優れた保存性: 玄米は精米の際に取り除かれる米ぬかや胚芽が残っているため、白米よりも酸化しにくく、長期間の保存が可能

▶高い栄養価: 災害時など栄養が偏りがちな状況下で、玄米は白米よりも食物繊維やビタミン・ミネラルなどの栄養素が豊富に含まれており、健康維持に役立つ

▶必要時に精米可能: 玄米を備蓄しておけば、必要に応じて家庭用精米機やコイン精米機などで白米に精米して食べることも可能

もちろん、玄米も劣化します。玄米の劣化の理由とそれに対応する保存方法についてはこちらの記事でご紹介したとおりです。

関連記事:玄米の備蓄保存方法は?劣化する3つの原因と対策を詳しく解説します

成功した白米の保存方法

玄米の品質劣化の原因は「呼吸」・「カビや虫」・「乾燥や臭い移り」にあります。

高温多湿は品質劣化を促進しますので、ご自宅用で少量なら冷蔵庫保管、大量なら無酸素保存が必須です。

では、白米はどうでしょうか?

白米はぬか層と胚芽が取り除かれているため玄米より酸化しやすいです。

3年前に白米を購入したときも保存するつもりは全くなかったので、真空パックではなく普通の米袋です。

ところが、思いのほか白米が余ってしまい、仕方なく保存することにしました。少しずつ取り出して食べるためには袋ごと真空パックするわけにはいきません。

そこで、使ったのが水のペットボトル(しっかり乾燥させたもの)です。

できるだけ空気に触れないように手早く作業しました。手順は次のとおりです。

①2リットルのペットボトル一杯に白米を入れる
②エージレスを入れ密封
③段ボール箱に入れて日の当たらない涼しい場所で保管

ペットボトルの口は小さいので、エージレスは小分け用の小さなパックを使いました。二つにそっと折り曲げて入れます。

ご参考までに使ったエージレスはこちらです。いったん開封すると全部使いきらないといけませんが、備蓄作業では重宝します。

エージレス 脱酸素剤(10個×5袋)

古古古米を食べてみた感想

こうやって3年前に保管した白米は2リットルのペットボトルに数本。

ローリングストックで少しずつ食べるつもりが、一緒に保存したもち米に紛れてしまい時の彼方に置き去りにされていました。やはりローリングストックは苦手分野。

白米が日の目を見たのは、同じくペットボトルに保存していたもち米を探したからです。

古古古米の見た目とにおいは?

久しく開けたことのなかった段ボールに整然と並んでいる白いペットボトル。乳白色のもち米に混じってちょっと透明感があるペットボトルが。

ペットボトルに貼っておいたラベルを見るとまさかの白米!しかも今話題の古古古米ではありませんか。

遠い記憶がよみがえりました。

倉庫できっちりと冷蔵保管された政府の備蓄米ではなく、備蓄部屋の段ボールの底でひっそりとうずもれていつの間にか古古古米になってしまったいつかの新米。

「たべられるわけがない…。」

「ああ、もったいないことをしてしまった…。」

おかずは残してもご飯は残さない子どもでした。

大人になってもそれは変わらず、お米は食べ物の最上位、ピラミッドの頂点に君臨して久しい。ああ、それなのに…。

自責の念に駆られつつ、ペットボトルの白米をしげしげみると、黒ずみもなければブツブツもない、実にきれいなのです。

固く締めたフタを開けて匂いを嗅いでみました。全く臭みはありません。

「あれ?ひょっとしていける?」

古古古米の味や食感について

早速炊いてみました、「発掘」直後の古古古米を。

三度の飯よりご飯が好きでご飯をおかずにご飯を食べる身としてはドキドキの冒険。

結論です!

・米の風味は落ちている

・食感はしっとりよりぱっさり。

ガスで炊いて炊きたてを食べました。

おかずはあえて漬物だけ。

匂いも臭みも全くありません。漬物だけでパクパクご飯が進みます。

しかし、ホカホカなのにあの炊きたてご飯独特の湯気から香り立つ風味は感じませんでした。

ミルキークイーンなど米の粘りが強い低アミロースのお米が好きな方には、古古古米のぱさつきが余計に気になるでしょう。

ササニシキのようなあっさりしたお米が好きな方には、古古古米は十分に「いける」範疇だと思います。ちなみにジャック=ササニシキ派です。

他の古米との比較

実は保存に失敗した古古古米の玄米が2袋あります。

失敗の原因は真空パックの甘さです。

若干黒っぽくなっていました。ぬめりなどはなく、カビ臭・異臭もしませんでしたが、酸化しているのは明らかです。

少しだけ精米して食べてみることにしました。

発見した白米と同じ時期に購入した玄米です。

その違いは?

違いはほとんどありませんでした。むしろよく似たもの同士。十分に食べられるけれども風味や食感はイマイチ。

当たり前すぎることですが人間社会と違って新米が強い!

古古古米を美味しく食べるには?

古いお米が食感を損なう原因の一つは水分の少なさです。浸水時間や炊き方を工夫することで、古古古米も美味しく仕上げることができます。

美味しくするためには「多めの水分でじっくり浸水させる」ことと「油分やうま味をプラスする」ことです。

古古古米の美味しい炊き方とコツ

古米(古古古米も含む)を美味しく炊くには、水分を多めにして、長めに浸水させ、ひと工夫加えるのがコツです。

①新米よりも少ししっかりと研ぎ、表面のぬかや酸化した油分を洗い流す
②米1合(180ml)に対し通常の水加減よりも1割程度多めの水(目安として200〜240ml)を加える
③水分を吸収しやすくするため、通常の1.5〜2倍程度の時間をかけて浸水させる

炊飯器でももちろん何も問題はありませんが、よりふっくら仕上げるためにガスで炊くことをおすすめしたいです。

古米特有の臭みを消し、つや・粘り・甘みを補うために、日本酒・料理酒・味醂・オイルなどを、ほんの少しだけ加えるというやり方もあります。

古古古米を活用した美味しい食べ方

古い米は新米に比べて水分が少なくパサつきやすいという特徴があります。その粒立ちの良さや硬めの食感を活かして調理するといいですね。

古米のパラパラとした食感は、味付けご飯や炒め物などに最適です。 

〇チャーハン(炒飯): 粒立ちの良い古米はベタつかずパラパラとした美味しいチャーハンに仕上がる

〇炊き込みごはん: 出汁や具材の旨味で古米の風味がカバーされ美味しく食べられる

〇カレー・ピラフ: スパイスや濃厚なルーに具材の味付けと硬めの食感がよく合う

〇雑炊・おかゆ: 水分をたっぷり含ませることで古米の硬さを気にせず食べられる

〇リゾット: 洋風の味付けでチーズやクリームを加えたリゾット風にすれば古米の硬さをカバーしつつ濃厚で食べやすくなる

古古古米も適切な保管で立派な主食

適切に保管すれば、白米の古古古米でも十分に美味しく食べることができます。

保存方法や炊き方に工夫を凝らすことで、古古古米の魅力を引き出すことが可能です。

長期間保存したお米でも、アレンジ次第で美味しい食事を楽しむことができるでしょう。

白米の保存には、以下のポイントが重要です。

▶ペットボトルなどの密閉容器に入れて酸素を抜く

▶冷暗所で保存する

▶定期的にチェックする

備蓄には玄米がおすすめです。3年前の白米がうまく保管されていたおかげでたまたま古古古米として味わうことができましたが、おすすめはしません。

ローリングストックを失念して古古古米になってしまった白米をお持ちの方は、すぐに捨てないでください。保存状態がよければ十分に美味しいご飯になってくれます。

本当にお米は有難いです。

農家の方々に感謝の念は尽きません。

ABOUT ME
ジャック
「体は食べるものでできている」ことを実感したのが、ガン宣告をうけたときでした。術後は海外の情報も集めてひたすら食養生。20年以上前のことになります。2011年からは、地元九州の食材を求めて、道の駅・直売所通いの日々です。
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