炭酸水はペットボトルで箱買いしていますか。それとも炭酸水メーカーが主役でしょうか。
私は水質重視で選んでいます。
高温多湿の夏の戸外で、暖房で乾燥した冬の室内で、のどの渇きを一瞬でスッキリ消し去ってくれるシュワシュワの炭酸飲料は日本人の暮らしに定着しました。
水の備蓄を考える際、炭酸水をペットボトルでまとめ買いするか、それとも炭酸水メーカーでつくるか、決めかねている方へそれぞれのメリット・デメリットをお伝えします。
採水地が九州のペットボトル炭酸水・備蓄向きのシリンダー式炭酸水メーカーもご紹介しますので、ご参考になさってください。
ペットボトル箱買い炭酸水のメリット
ペットボトル炭酸水の最大のメリットは飲むときの手軽さ、そして均一性です。
ペットボトルならいつでもどこでもキャップを開けて飲むだけ。なんといってもこの手軽さが自然にペットボトルを手に取らせますね。
二つ目のメリットの均一性とは、味にばらつきがないということです。
ペットボトルの炭酸水といっても多種多様。炭酸の強さ・フレーバー・メーカーなど、好みに合わせて選ぶことができます。
美味しいと思ったらまとめ買いをしてリピート。
何十本何百本飲んでも品質は一定しているので安心して備蓄できるのがペットボトルの良さです。
手軽さと均一性、この二つがペットボトル炭酸水のメリットですね。
箱買いペットボトル炭酸水のデメリット
水質のわかりにくさ・資材の処分、この二つが箱買いペットボトル炭酸水のデメリットです。
最大のデメリットは水質のわかりにくさ
ペットボトル炭酸水の最大のデメリットは、水質のわかりにくさにあります。
手軽に買えてすぐ飲めるペットボトル炭酸水の水質を私たちはよく知りません。
ミネラルウオーターを買うときは採水地を気にしたり、ウオーターサーバーならば水質基準の説明を読んだりして購入を検討しますよね。
ミネラルウォーターのボトル水なら採水地・硝酸態窒素などの有害物質の含有量が購入の決め手になるからでしょうか、良い水ほど通販サイトにわかりやすく明示してあります。
ところが炭酸水となると、そのほかの清涼飲料水同様、水質を前面に打ち出している商品が少なくなります。
炭酸水を3種類(天然水炭酸水・天然水炭酸水・炭酸水)に分けて説明しますね。
天然炭酸水
日本のペットボトル炭酸水にはペリエのような天然の炭酸水は多くありません。
そもそも取水地が限られているからです。
天然の炭酸泉といえば九州では大分県長湯温泉。高温には溶け込みにくいとされる炭酸ガスを含む温泉が大量に湧き出ています。
長湯温泉同様、くじゅう連山の麓に広がる地域には天然の炭酸水が湧き出ている所があちこちにあります。
私も黒岳の裾野の鉱泉に何度か汲みに行きました。
くじゅう連山から採水している炭酸水に、「YOIYANA(よいやな)」というブランドがあります。
ラベルに「天然炭酸水」と明示され採水地の表記があるのでわかりやすいです。
天然水炭酸水
天然水炭酸水は、天然水つまり採水したミネラルウォーターに炭酸を加えたものです。天然炭酸水とちょっと紛らわしいですね。
たとえば王道の「The Strong 天然水スパークリング」はサントリーの天然水炭酸水です。
採水地はわかりません。サントリー天然水の水源は、南アルプス・北アルプス・奥大山・阿蘇の4か所ですので、そのいずれかでしょう。
他にも例を挙げれば、サンガリアの「伊賀の天然水 強炭酸水」・アイリスオーヤマ の「富士山の強炭酸水」など天然水炭酸水も、ラベルの商品名でわかりますね。
炭酸水
ラベルに「天然水」の記載がない場合、水道水・井戸水などの不純物をろ過した水も使用している可能性が高いです。
たとえば、人気商品アサヒ飲料「ウイルキンソンの強炭酸水」は、製造工場が複数あり、水源は地下水だったり水道だったりするためラベルに統一記載はありません。
炭酸の強度を高めるにはミネラルを除去した、より純水に近い水が適しているともいわれています。
確かにウイルキンソンは炭酸の強さが際立っていますね。
雑味のない純水で作った炭酸水のほうが、アルコールを割るときはスッキリと美味しい飲み口になるそうです。
アサヒ飲料の技術が光るウィルキンソン。
このようにペットボトル炭酸水は、採水されている水の種類をラベルで見分けることができます。
一方、より詳しい水質を知りたいときは製造会社のサイトをつぶさに見たり問い合わせたりする必要があります。
ジュースやコーヒーなら果物やコーヒー豆に重きが置かれるのは無理もない話ですが、炭酸水は水が主役です。
消費量が多い炭酸水の水質はとても大事。
よく知らない炭酸水を箱買いする際は、事前に調べてから購入したほうがいいと思います。
箱・ペットボトルの処分
ペットボトル炭酸水の二つ目のデメリットは、段ボールや空きペットボトルの処分です。
段ボール箱の処分
店舗で購入した場合も通販で取り寄せた場合も、まず段ボールを片付けなければなりません。
段ボールに入れたままでは衛生的ではないからです。
ダンボールには細かい粉塵に混じり、微生物が多く付着しています。
東邦微生物病研究所(https://www.toholab.co.jp/)の拭取検査の結果では、段ボール100平方センチメートル当たり数千~数万の雑菌が付着していたそうです。
ただし、研究所に送られてきた段ボール箱から抜き取りした結果ですので、新しい段ボールとは限りません。
また、段ボールは構造上、ゴキブリやハエが潜んでいたり、卵が生みつけられていたりします。
できるだけ早くペットボトルを段ボール箱から出して、ダンボールはすぐに処分しましょう。
ペットボトルの処分
飲み終わったペットボトルも処分する必要があります。
ラベルを剥がして潰し、自治体の収集日に出したり、回収場所に持ち込んだり、手間がかかりますね
日本の家庭のペットボトル回収率・リサイクル率の高さは抜きんでています。
一方、異物が混入しやすい事業系ごみの対策は簡単にはいきません。
世界的にマイクロプラスチックごみによる海洋汚染が深刻な問題になって久しく、ペットボトルの埋め立て・焼却についても同様です。
私たちが消費者としてできることは、せめてペットボトルの正しい分別・回収に努めることでしょうか。
採水地が九州のペットボトル強炭酸水
地元九州の水を使った強炭酸水を2つご紹介します。それぞれ特色がありますので、比較してみてください。
KUOS(クオス)…ガスボリューム5.5GV!フレーバーは8種類
クオスは楽天市場の水・ミネラルウォーター部門で243週1位を獲得している人気商品。
クオスの採水地・工場は大分県の日田で、水郷と呼ばれる有名な温泉地です。
数多くのボトル水の採水地としても知られています。サッポロビールの工場があり、かつてはニッカウヰスキーも九州工場を置いていました。
クオスの製造販売を行っているのは、日田市に本社を置く株式会社OTOGINOさんです。
2024年05月2日には、株式会社ライフドリンク カンパニーさんが、炭酸水製造事業を譲り受けるとの発表がありました。
ライフドリンク カンパニーさんは、清涼飲料水の製造・販売を手がける大阪の企業です。
イオングループ・西友などのプライベートブランドの製造でも知られていますね。
飲料水メーカーにとって、九州地方に炭酸水の製造拠点を得ることは大きなメリットになるのでしょう。
大手モールでも№1の売り上げを誇るというクオスの強炭酸水は、日田で採水され純水に仕上げられています。
ラベルに天然水という記載はなく、日田で採水された水を使っているとのことです。
クオスは、ペットボトルの成形からボトリングまで全ての工程を一つの工場で行い、資材は全て国産にこだわっています。
炭酸充てん時のガスボリューム(炭酸の濃度:1ガスボリュームは、1リットルの液体に1リットルの炭酸ガスが溶けている状態)が5.5ガスボリュームもあり、清涼感の強い炭酸水です。
クオスにはプレーン以外にも8種類のフレーバーがあります。
実は私が一番好きなクオスはフレーバーです。
大分の特産といえばカボス。カボスフレーバーは、カボスをしぼっていれなくてもすでにカボス!
また、見た目も香りもハイボールのハイボールフレーバー・ビールテイストのビアフレーバーは飲めなくても飲んだ気になる炭酸水です。
天然水100%使用の強炭酸水ノンラベル
ノンラベルです。クオスも要望に応えてプレーンのノンラベルを新発売しており、今やノンラベルブーム。
私もずっと箱買いしています。プレーンの強炭酸水の中ではイチ押しのペットボトル炭酸水です。
ノンラベルですので、箱に記載されている商品情報は「大分県久住山系天然水100%炭酸水」、製造販売はコスメボックスという大分市の会社。
知名度は大手に比べれば今一つかもしれませんが、ペットボトル炭酸水として非の打ちどころのない商品です。
そこまで言うか?と思われる方のためにイチ押しの理由をご説明しますね。
採水地が玖珠町「清水瀑園(ばくえん)」近辺
玖珠のお米の美味しさは折り紙付き。玖珠米「ひとめぼれ」は皇室の大嘗祭献上米に選ばれ、JR九州の「ななつ星in九州」でも提供されています。
私も玖珠米の大ファンです。とにかく美味しい。
その美味しさの理由の一つが水です。代表的なのが「清水瀑園」という名水。
「清水瀑園」の水源はくじゅう連山の湧水です。
山から湧き出た水が40余りの小さな滝となり、水量は1日数十トンといわれています。
この湧水が玖珠町の上水道、農業用水として利用されているのです。
コスメボックスさんの工場は「清水瀑園」の近くにあり、採水地になっています。
玖珠の天然水を100%使っており、炭酸が抜けても美味しさは抜けません。
安心安全な水質へのこだわり
地下200mから天然水を汲み上げ、ろ過装置で不純物を除去しています。
天然水を磨いて純水にしているというわけですね。
装置では汚れやゴミだけでなく、ダイオキシンや放射性物質などの有害物質までとりのぞいているとのことです。
さらに商品紹介に「もちろん、天然水は水質・放射能検査で安全性が確認されています」とうたっており、水質検査結果の画像が載せてあります。
ペットボトル炭酸水で、ここまで徹底して水質について述べている商品をほかに知りません。
信頼のおけるブランドだと判断した理由です。
キャップ・ダンボールまで九州産
水の産地を公表するメーカーはあっても、キャップやダンボールの産地まで明示するメーカーがあるでしょうか。
コスメボックスさんの場合、海外産や国内産という表示ではなく、キャップは福岡県三潴郡(みずまぐん)・ダンボールは福岡県飯塚市とはっきり打ち出しています。
もちろんペットボトルは自社工場で成形しており、完璧な九州ブランドの強炭酸水です。
商品情報を包み隠さず消費者に伝えることができるのは、商品に自信のある証拠ですし、企業姿勢に好感がもてます。
ノンラベルで低価格
味も品質も申し分ないコスメボックスさんの強炭酸水。
炭酸強度も充てん時5.0GVと申し分ありません。
それにしては安いのです。なぜ?
ノンラベルだからです。
ノンラベルでコストを削減し、高品質低価格を実現しています。
サイトに「中身と安全性に絶対の自信があるからこそラベルで飾らず中身で勝負します。」という文言がありました。うなずけます。
コスメボックスさんのECサイトでは、500㎖40本を3080円(税込み)・送料無料で購入できますので、1本77円です。(2022年10月現在)
楽天市場のコスメボックスサイト Yahoo!ショッピングのコスメボックスサイト Amazonではこちらから炭酸水メーカーのメリット・デメリット
ペットボトルに対して、炭酸水メーカーの良し悪しを考えてみましょう。
備蓄を前提にした場合、炭酸水の消費量が多い方は検討の余地があると思います。
炭酸水メーカーのメリット
1 水が選べる
ペットボトルの水で水質にこだわるなら調べる必要があります。
ただし、詳細な水質を公表している場合に限ってのことです。
炭酸水メーカーで炭酸水を作る場合、自分の納得できる水を使うことができます。
飲用なら、ふだん飲んでいて成分表・トリハロメタンや硝酸態窒素などの有害物質の確認が済んでいる水が安心です。
また、炭酸水には洗顔・料理・洗濯・掃除など、幅広い活用法があります。
用途に応じて水道水を使ったりと、自在に水が選べるのは炭酸水メーカーならではの利点です。
2 ペットボトルより経済的
コストパフォーマンスについては、どれくらいの頻度でどれくらいの量を飲むかによって数値は違ってきます。
一般論として、炭酸水メーカーはペットボトルと比べて初期費用(本体購入など)はかかるが、ランニングコストがかからないというのはよくいわれることですね。
確かに経済的です。
ただし、矛盾するようですが、ペットボトルの手軽さが対価に見合っていると感じるなら、一概に炭酸水メーカーのほうがお得とはいえません。
何に価値を感じるかは人によって違いますよね。
3 炭酸の強さが調整できる
炭酸水メーカーは電動でも手動でも炭酸の強さが調整できます。
微炭酸から強炭酸まで、そのときどきの気分や用途によって変えられるのがいいですね。
4 水以外でも炭酸にできる
炭酸水メーカーには水以外の液体でも炭酸にできる機種があります。
ジュース・ワイン・焼酎を炭酸割りにしてアレンジするのも楽しいです。
5 資材ごみが減らせる
ペットボトルを箱買いした場合のダンボール・空きペットボトルを処理する手間は省けます。
炭酸水メーカーのデメリット
1 初期費用がかかる
ペットボトルの炭酸水は箱買いするとかなり安くなりますね。
また、炭酸水500㎖1本がコンビニでは100円ほどですが、ディスカウントストアではその半分以下の場合も珍しくありません。銘柄はさておいてです。
それに対して炭酸水メーカーは据え置き型で1万円台から3万円台までの価格帯。
ほとんど、シリンダーとセットで販売されています。
2 使用したガスシリンダーは販売店やメーカーに返却する必要がある
炭酸水メーカーは、炭酸ガスの充てん方法によってシリンダー式とカートリッジ式の2種類に分けることができます。
シリンダー式の場合、使用したシリンダーは一般ごみやリサイクルには出せません。
購入した販売店・メーカーに持っていくか郵送する手間がかかります。
備蓄用炭酸水メーカーはシリンダー式
炭酸水メーカーはシリンダー式とカートリッジ式の2種類。
それぞれ一長一短ありますので、比較してみましょう。
項目 | シリンダー式 | カートリッジ式 |
コスト | ・本体価格は1万~3万円台・シリンダー1本で約60ℓ作れる | ・本体価格は6000円~8000円台・毎回カートリッジ代がかかる |
炭酸ガスの調整 | ・強度が調整できる | ・強度が調整できない |
利便性 | ・使用済みシリンダーは返却交換 | ・使用済みカートリッジは廃棄 |
コスト面では、本体価格+ランニングコストを総合的にみますと、シリンダー式に軍配が上がります。
備蓄を考える場合、炭酸水の消費が多い場合は、ランニングコストがかからず炭酸の強度が調整できるシリンダー式がおすすめです。
唯一シリンダー式のデメリットは、ガスがなくなったシリンダーの返却ですね。
シリンダー式の炭酸水メーカーも2つご紹介します。
一つはおなじみのソーダストリームの上位機種(電動)、もう一つはコストパフォーマンスが良い「e-soda (イーソーダ)drink」(手動・電源不要)です。
ソーダストリーム Source Power(ソース パワー)
ソーダストリームの全自動最上位モデル。
炭酸の強さをボタン一つで選べます。
ボトルを外す前のガス抜きも自動です。
電源があるところでないと使えないのがデメリット。
【公式ショップ限定特典 0.5Lボトル付き】ソーダストリーム Source Power(ソース パワー) スターターキット <炭酸水メーカー>e-soda (イーソーダ)drink
コストパフォーマンスに優れる電源不要の炭酸水メーカー。
スタイリッシュな本体のカラーは3種類(ホワイト・シルバー・ブロンズ)から選べます。
一番人気のホワイトの「初めてセットプラン」なら18,865円(税込み・送料無料)で購入できます。セットプランの内訳は次のとおりです。
・ドリンク本体
・ボトル キャップ付き本体
・ショートボトル
・炭酸ガスシリンダー(3本)
電源不要の炭酸水メーカー【e-soda】ペットボトルでも炭酸水メーカーでも備蓄飲料は必須
水は基本の調味料です。なかでも炭酸水はジュースでもアルコールでも美味しく飲めて、子どもも大人も楽しめます。
人間の体は「水」でできているといっても過言ではありません。
水分量は、成人男性で体重の60%、新生児で約80%だそうです。
何よりも水質を重視することをお奨めします。
ペットボトル炭酸水は水質の情報を確認して購入しましょう。
炭酸水メーカーは自分で選んだ水が使えます。
コストパフォーマンスがよいのは炭酸水メーカー。手軽なのはペットボトル炭酸水。
体が喜ぶ美味しい炭酸水を選んで、備えておきましょう。