南関といえば、南関そうめん!いえいえ、何か忘れています。
南関といえば、南関そうめん!と南関あげ!です。
熊本のソウルフードですが、九州一円あまねく有名。
一度、南関そうめんを食べたら来年も再来年も夏は南関そうめんが食べたくなるように、南関あげを知ったら・・・。
さてどうなるか、ササっとご紹介しますね。
普通の海苔巻きでは物足らなくなる南関あげの巻き寿司
南関あげ?
九州人なら知っている、食べたことがなくても見たら「ああ」という。
タダの揚げ豆腐ではありません。
あの柔らかいキツネの好物の油あげ,トンビがさらっていく油あげとは
見た目もつくり方もちがいます。
タイトル下の画像は、「塩山食品」の南関あげです。九州産大豆を使用し、使いやすい大きさに刻んであります。
刻んでいない南関あげは、これです!
え?煎餅?おかきじゃないの?
画像からもわかるパラパラ感・乾物感・これこそ南関あげ、熊本県南関町に代々伝わるあげ豆腐です。
島原の乱の後、人口が減少したため、移住してきた四国伊予松山地方の人々によって広まったといわれています。
普通の揚げ豆腐と違って常温で長期保存ができます。
しかもいったん煮込むと、調理前の「なんなのこれ?」感はなりをひそめ、うって変わったしっとり感ともちもち感。
味がしみこみやすい上に,油でからりと揚げてあるので
肉も魚もないのよね,
タンパク質が欲しいのよね,
なんかものたりないのよね,
というときに代打4番として活躍します。
とくに巻き寿司はホームラン。
海苔の代わりに南関揚げを薄く巻くだけなのですが,
これを食べたらもう元の海苔巻きだけの生活には戻れない・・・。
いなり寿司という発想はあっても、揚げを海苔のかわりにするというのはなかなか思いつきません。
もっちりとした南関揚げに包まれた酢飯と具材の組み合わせは、想像どおりの味のハーモニー、日本人でよかった感満載。
南関あげはこうして生まれる
南関あげは、大正時代は幅がもう少し狭く、身が厚かったそうです。長期保存できるように、豆腐を薄くし、現在の南関あげの原形ができたといわれています。
南関揚げの老舗「塩山食品」さんによる南関揚げの作り方です。
1 大豆を一晩漬ける
2 豆乳プラントで豆乳を作る
3 凝固剤を入れて豆腐を作る
4 出来上がった豆腐を冷やす
5 冷えた豆腐を薄くスライスする
6 スライスした豆腐を布の上に並べプレスの準備をする
7 スライスした豆腐を約1時間プレスして水分を抜く
8 低温と高温のフライヤーで1枚1枚手揚げする
9 揚げたての生地は約4倍の大きさにふくらむ
10 選別した生地をさまざまなサイズにカットする
11 計量し包装する
12 金属探知機とウェイトチェッカーで異物・重量を検査して完成!
完璧な製造工程!
特産品センターなんかん いきいき村へ
九州自動車道・南関ICを下りてすぐ「いきいき村」はあります。
「塩山食品」さんが運営する大人気の物産館です。
その名のとおり、いきのよい農作物や生鮮食品、九州各地の名産品を取りそろえ、パン屋さんにケーキ屋さん、食事処まで完備。
南関揚げの巻き寿司もこちらにあります。
実は私も本場の味を求めて手作りに挑戦しましたが、あの薄さは職人技、完全撤退。
南関揚げを直接買いに行けない方は、ふるさと納税の返礼品として受け取る方法もあります。
フリーズドライの味噌汁の具に南関揚げを使っている商品です。
フリーズドライ業務用 南関あげの味噌汁15食のセットが福岡県宇美町の返礼品にあります。
このご時世、のんきにこのような記事を書いているような心持ちではありませんが、日常は自分で取り戻さなければ。
「Let’s Go!いきいき村」