備蓄用の小麦粉には、輸入小麦よりも、ポストハーベストの心配がない国産小麦が安心ですね。
国産小麦の中でも、「無農薬」(農薬不使用)・化学肥料不使用の小麦でつくった小麦粉なら、さらに申し分ありません。しかし、スーパーではまず目にすることはないですよね。
こちらの記事では、「無農薬」・化学肥料不使用の小麦粉づくりに情熱を傾けておられる作り手の方々をご紹介します。
通販や直売所・道の駅で購入できる「無農薬」・化学肥料不使用小麦粉もお教えしますので、備蓄用にお役立てください。
希少な「無農薬」・化学肥料不使用小麦粉
令和2(2020)年度で、小麦の自給率は15%!戦前には100%を超えることもあったという自給率ですが、なかなか回復しません。
ただでさえ、手に入りにくい国産小麦。まして農薬も化学肥料も使っていない小麦粉となると、たいへん希少な存在です。
農水省によれば、⾷料⾃給率を上げるため、国内産⼩⻨の⽣産を平成37年までに増やしていく目標を設定しているそうです。
今後、国産小麦の生産拡大とともに、無農薬」・化学肥料不使用の小麦粉も増えることが期待されます。
現状では、どうしても価格が高く、気軽に購入できません。私たちが少しずつでも買い支えていくことが、自給率の向上と価格の安定につながると信じたいです
小麦粉の「無農薬」・化学肥料不使用に挑む生産者
なぜ、困難な「無農薬」栽培に取り組むのか。米作りもそうですが、あえて「無農薬」・自然栽培にチャレンジする人には共通点があると思います。
農家であり哲学者でもあるということです。慣行栽培ではない特別な栽培を選ぶリスクを乗り越え、研さんをおこたらず、田畑に情熱を注いでおられます。
ここにご紹介する生産者の方々もまた、哲学者です。各サイトにリンクを貼っておきますので、どうぞご覧になってください。
「原農場」さん
自然栽培の米作りの記事でもすでにご紹介しました。35年間、無農薬・無化学肥料での栽培方法を貫いてこられた、真の哲学者です。
私は、原農場さんのサイトを読むたびに胸がじ〜んとします。何度読んでもです。
「この道より、我を生かす道なし、この道を歩く。」という武者小路実篤の言葉を思い出します。
ご家族で丁寧に袋詰めまでされる小麦粉を、私は道の駅で購入させていただいています。とても美味しくてとても美しい小麦粉です。
〇「原農場」さんの「無農薬」小麦粉の主な購入先
・直接行けるなら、道の駅「七城メロンドーム」(通販もあります)
・「原農場」さんのサイトなら、こちらのオンラインショップ
・大手ECサイトなら、こちら
「有機農場」さん
「有機農場」さんも、菊池市七城町にあります。代表は高野さんとおっしゃいます。
原さん同様、名の通った米農家でもあります。道の駅「七城メロンドーム」の玄米売り場では、コメの品種名が並ぶ中、唯一「高野さんちの米」という個人名で販売されています。
小麦粉の製品名も、「高野さんちの小麦粉」ですよ〜。
「有機農場」さんは、有機農場を自ら次のように紹介していらっしゃいます。
・健康や安全を意識する消費者により、有機農産物の需要が高まっていること
・有機JASの認定を受け、企業理念である「地球に優しい農業」に取り組んでいること
・自然栽培米を中心に、生産・加工から流通までを手掛けていること
有機農法では、指定された農薬は使用してよいことになっていますが、お米の自然栽培も手掛ける「有機農場」さんは「無農薬」ですね。
〇「有機農場」さんの「無農薬」小麦粉の主な購入先
・「有機農場」さんのサイトなら、こちらのオンラインショップ
・大手ECサイトなら、こちら
「ろのわ」さん
「ろのわ」さんも菊池市です。菊池川流域は「米作り、二千年にわたる大地の記憶」として日本遺産に認定されているだけあって、常に時代の農業をリードしています。
さて、「ろのわ」と聞いて、どんな意味だろうと首をかしげますよね。
“Lono”はハワイ語で「収穫の神様」を表し、“わ”は「和・環・輪」をイメージしているのだそうです。
農業と他の事業を結び付けながら実り多い仕事をしていきたい、また人の輪を大切にする社会でありたいという気持ちを込めた社名とのこと。
菊池にふさわしい社名ですね。
「ろのわ」さんも、有機JAS認定を受けていますが、すべての農作物に農薬や化学肥料は一切使われていません。
〇「ろのわ」さんの「無農薬」小麦粉の主な購入先
・大手ECサイトなら、こちら
こちらでご紹介した生産者さん以外にも、「無農薬」・化学肥料不使用小麦粉を作っていらっしゃる方は少なくありません。
道の駅・直売所で見かけるたびに少しずつ買い求めています。ほんとうに有難いことです。
製粉会社も「無農薬」・化学肥料不使用小麦粉を販売
「大陽製粉」さん
1943年創業の製粉会社「大陽製粉」さん。筑後平野で生まれた企業だけに、福岡県産小麦を中心とした国産小麦を活用しています。
特徴的なのは、製粉会社でありながら、ロール製粉だけではなく、石臼挽きを導入していることです。小麦本来の味と香りをとじこめる製粉。
そんな石臼挽き製品の中に、「無農薬」・化学肥料不使用小麦粉があります。その名も「石臼小麦粉 月いずみ」、きれいな名前ですね。
商品紹介は「アイガモ水稲栽培後の畑で育てた福岡産の完熟小麦を石臼で丹念にひいたレトロ風味の小麦粉」、まさにそのとおり!
私も日ごろから戴いています。お好み焼きは、この粉とキャベツだけで抜群においしい。
〇「大陽製粉」さんの「無農薬」小麦粉の主な購入先
複数の実店舗でも販売されているそうです。道の駅でも見かけます。
・「大陽製粉」さんのサイトなら、こちらのオンラインショップ
「田中製粉」さん
1760年創業の「田中製粉」さん。福岡県産100%の小麦を使用しています。
詳しくお知りになりたい方は次の記事をご覧ください。
【関連記事:備蓄の強い味方!九州産の小麦粉をパン作りにも麺づくりにもどうぞ!】
「田中製粉」さんは、伝統に裏打ちされた確固たる職人気質で、筑後平野の恵みを守り続けてこられました。
福岡県産100%の小麦粉の中で唯一、「九州産有機強力粉」と銘打った商品があります。また、定番の強力粉「みなみの幸」(農薬・化学肥料不使用版)も!
「みなみの幸」(農薬・化学肥料不使用版)は、「田中製粉」さんのECサイトから購入できます。売り切れるのも早いかもしれませんが、リンクを貼っておきますね。
備蓄用に「無農薬」・化学肥料不使用小麦粉を少しだけでも!
「無農薬」・化学肥料不使用小麦粉の生産者さんは、信念をもって良質な小麦粉を作り続けていらっしゃいます。
「原農場」さん・「有機農場」さん・「ろのわ」さんのサイトで、お確かめください。
購入先は、実店舗・生産者さんのオンラインショップ・大手ECサイトから選ぶことができます。
また、製粉会社の「大陽製粉」さん・「田中製粉」さんも、地元九州の「無農薬」・化学肥料不使用小麦を使った商品開発をしておられます。
備蓄用に、国産の「無農薬」・化学肥料不使用小麦粉を少しずつ加えてみませんか。
ただ、ローリングストックには失敗するかもしれません。美味しいのでついつい先に食べてしまいがち。私がそうです。
小麦粉の保存のしかたについては、下記の別記事にてご紹介しています。
【関連記事:小麦粉はどうやって備蓄するの?保存方法と便利な保存容器をご紹介!】
また、小麦粉の保存に最適な冷凍庫もあります。