新米を召し上がっていらっしゃいますか。
九州では七夕のころには超早場米が出荷され、11月まで収穫が続きます。
さまざまな品種に「無農薬」・自然栽培の新米が登場し、選ぶ楽しみが広がりました。
九州の直売所や道の駅で購入した2022年の新米をご紹介します。お米の特徴・およその価格・購入先など備蓄のご参考になれば幸いです。
真夏の九州で炎天下、雑草と格闘しながら美味しいお米を届けてくださる農家の方々に感謝の気持ちを込めて。
2022年産新米の備蓄を!
2022年産のコメ(水稲)の全国の作況指数(平年=100)は、9月25日時点の調査で「平年並み」の100になるとの見通しが公表されました。
一方、消費の低迷により作付面積は減少し続けています。2022年産新米(主食用米)の収穫量は、670万3千トンと過去最低になる見込みです。
農水省が試算した需要に見合う生産量を下回るため、在庫の消費が解消され米価は3年ぶりに上昇するのではないかということです。
[参考:東京新聞 2022年10月14日 10時04分 配信(共同通信)]
九州は台風や日照不足の影響を受けましたが、2022年もほぼ平年並みに新米が出揃うのは有難いことです。
肥料や資材の高騰のあおりを受けて農業の置かれている状況はたいへん厳しいです。主食のお米の価格が上がらないのはおかしいので、当然の流れだと思います。
2022年現在、少々高くても今じゅうぶんにある主食を備蓄しておくのは大事なことです。
九州産「無農薬」新米はお得です
「無農薬」・自然栽培の新米を見かけることが多くなりました。九州の直売所・道の駅または生産者の方から購入した九州産の2022年新米をご紹介します。
価格についてはおおよその目安としてご理解ください。
農薬化学肥料不使用の米 | 産地 | 購入価格 |
アイガモ米 | 鹿児島県伊佐市 | 3,700円(5㎏) |
ミルキークイーン | 熊本県阿蘇市 | 1,650円(3㎏) |
ヒノヒカリ | 熊本県南関町 | 1,050円(2㎏) |
夢つくし(福岡県産米) | 福岡県久留米市 | 1,040円(2㎏) |
元気つくし(福岡県産米) | 福岡県久留米市 | 1,040円(2㎏) |
「無農薬」のお米は高いというイメージがあると思いますが、いかがでしょうか。
あえて農薬を使わずに作ったお米には、農家の方の決意や意気込みを感じます。体に良くて美味しいお米を、こんな価格で購入できていいのだろうかと思うほどです。
戦後のお米は二大ブランドの時代でした。「東の横綱ササニシキ、西の横綱コシヒカリ」です。
ササニシキはさらっとした食感、コシヒカリはもっちり。今ではササニシキはほとんど作られなくなりましたが、コシヒカリは根強い人気を誇っていますね。
コシヒカリのもっちり感を受け継ぐヒノヒカリ、さらにミルキークインのような低アミロース米が主流となり、各地で同様の食味をもつお米が次々に生まれています。
(低アミロース米について・・・米のデンプンにはアミロースとアミロペクチンの2種類があり、アミロースの割合が少ないと粘りが強く、多いと粘りが少ないご飯になる)
自然栽培の新米は旭米・ササニシキも!
「無農薬」化学肥料不使用というだけでも大変なことですが、肥料も使わない自然栽培へ転換される方も多いようです。
昔ながらの田んぼといえば農薬も化学肥料もない田んぼ。そんな田んぼで作られていたお米もまた違う品種でした。
見直されるあっさり系の食感
新米も低アミロース米が人気ですが、昔のお米はあっさり系。
日本の一般的なうるち米のデンプンは、アミロースが17〜23%含まれているのに対し、ミルキークインは10%前後です。
ササニシキはアミロースが20%くらいですので、より昔のお米に近いといえます。私はどちらかといえば、ササニシキ派。
あっさり系のお米を求めて、旭米にたどりつきました。
旭米は明治時代にさかのぼる在来種の米(野生の種の自家採種を続けてきた米)。昭和の初めにかけて西日本で一番人気のお米だったそうです。
アミロースは20%を超える正真正銘のあっさり系!
もち米(アミロースは0%)により近い低アミロース米は消化に時間がかかりますが、あっさり系のお米は胃腸に負担をかけにくいといえます。
宮沢賢治の「雨ニモマケズ」の一節に「一日に玄米四合と味噌と少しの野菜を食べ」とありますが、一日に玄米四合なんて無理だろうと思っていました。
初めて旭米をいただいたとき「いける!4合」と納得。賢治が食べていたのは当然ながら昔のお米だったのですね。
するするあっさりいくらでも食べられるお米です。しかも一粒一粒食べ応えがあってご飯好きには嬉しい食感。
自然栽培向きの米なのか
旭米やササニシキは、アレルギーを起こしにくい米だといわれています。
不勉強ですが、米アレルギーなるものを知ったのは最近です。原因は米のでんぷんにあり、もちもち系の米よりあっさり系の米のほうがアレルギーを引き起こしにくいとのこと。
主食としてきた米でアレルギーを起こすというのは何とも…。因果関係は明確には分かっていないそうですが、アレルギーに関してはより自然のままがいいのかもしれません。
お米の甘味やしっとりとした食味を作り上げた英知も素晴らしいだけに、何事にも一長一短があることを考えさせられますね。
旭米の栽培については興味深い事実があります。旭米を購入しようと探したところ、慣行栽培より自然栽培が目についたのです。
昔の米なら昔と同じ自然栽培のほうが良く育つのかもしれませんね。
旭米は晩成のお米ですので、早生のお米に比べて収穫が遅くなります。10月に収穫して新米として出荷されるのは11月です。
旭米もササニシキも健康的な側面とあっさりとした食味が見直され需要が高まっています。
店頭に並ぶことはほぼありませんので、生産者さん直営のサイトおよび自然栽培に特化した通販サイトからの購入をおすすめします。
価格については通販の場合は送料がかかりますので、一概にはいえません。さらに、耕地自体の自然栽培期間によっても価格が異なります。
お米だけの価格でいいますと、5㎏4,000円台から5,000円台の幅になるかと思います。
自然栽培の米 | 産地 |
旭米(旭一号) | 熊本県菊池市 熊本県阿蘇市 |
ササニシキ | 熊本県阿蘇市 熊本県阿蘇郡小国町 熊本県天草市 |
好みのお米を見つけていざ備蓄
九州産の「無農薬」新米はお値打ち価格で購入することができます。
低アミロース米としてもっちり感が人気のミルキークイーンをはじめ、いずれ劣らぬ美味しいお米が各地の直売所・道の駅に並んでいます。
また昔ながらのあっさり系のお米、旭米・ササニシキも人気上昇中。自然栽培米として通販サイトで販売されている希少なお米です。
どちらがお好みですか?
今年も新米を「無農薬」でいただける有難さをかみしめながら、備蓄にいそしみましょう。