唐辛子にんにく!カラカラヒリヒリ選手権の常連です。
唐辛子と大蒜(ニンニク)、むむむ、漢字にするともっと強烈なイメージですね。
今回ご紹介するのは熊本県産の唐辛子にんにくです。
店頭ではめったに見かけませんので、九州在住でも召し上がったことのない方が多いかもしれません。
焼肉のタレにんにくたっぷり風味が好きで辛党ならば、間違いなくあなたの胃袋をとりこにする調味料です。
唐辛子にんにくが生まれたのは平家落人伝説が残る五家荘。九州最後の秘境と呼ばれています。
熊本産唐辛子にんにくを、平家落人の隠れ里とともにご紹介します。
「五家荘」に行ったことがありますか?
「五家荘」
知らないと読めないキリル文字のよう。熊本出身者ではなく正確に読めるのはよほど歴史に詳しいかたでしょう。
「ゴ・カ・ノ・ショ・ウ」とよみます。
五家荘は、熊本県八代市泉町(旧八代郡泉村)にあります。平家落人伝説が色濃く残る山里です。
私の父方の先祖も平家の落人です。故郷に古くからの言い伝えとして残る話ですが、珍しいことではありません。
九州地方は落人伝説に満ち満ちています。
五家荘は、熊本県泉町の久連子(くれこ)・椎原(しいばる)・仁田尾(にたお)・葉木(はぎ)・樅木(もみぎ)の五つの地区をまとめて呼ぶ地名です。
九州中央山地国定公園に指定されている深山幽谷の地です。
一言でいうと秘境。
もうずいぶん前になりますが、久連子地区に伝わる古代踊りを見たことがあります。平家の落人たちが都を偲んで舞ったといわれる古代踊りです。
古代踊りときいて、宮沢賢治の詩の一節「ホウ 髪毛(かみけ) 風吹けば 鹿(しし) 踊りだぢやい」を思い出しました。
鹿踊りは鹿の頭をかぶりますが、久連子踊りでかぶるのは久連子鶏という地鶏の羽で飾られた笠です。
顔を隠して太鼓や鉦(かね)にあわせて優雅に舞う姿に、なんともいえない哀しみを感じました。
中央山地周辺の集落は今でも気軽に行ける場所ではありません。
道路が整備されたとはいえ、集落と集落を結ぶ山道は細く険しく、雨が降った後は崖の崩落にも注意を払わなければなりません。
都を遠く離れて逃げ延びてきた人々がようやくたどり着いた安住の地。
ここまで来ればと安堵したことでしょう。
一つ一つの集落に口伝が語り継がれ、どの季節に訪ねても尽きせぬ魅力があります。
熊本産唐辛子にんにくは、そんな泉(いずみ)の土地で生まれました。唐辛子の赤は平家の旗印の赤でもありますね。
唐辛子の種類別に辛さは三段階!
熊本産唐辛子にんにくの原材料は3つだけです。泉の唐辛子・熊本県産のにんにく・塩だけで作られた唐辛子にんにく。
ジャンボニンニクを使っているので、翌朝、ニンニク独特の匂いが残らないというのも人気の理由です。
製造元は「株式会社いずみ」さんです。加工所は次のとおり。
・いずみ農林産物流通加工所(熊本県八代市泉町栗木49)
調味料はピリ辛で、和洋中どんな料理にも合います。
この唐辛子にんにくシリーズは、スタンダードな赤唐辛子の他にあと2種類あります。
〇和食に合うマイルドな青唐辛子。
〇激辛だけれどうまみのある黄金唐辛子。
辛いのが平気な人(浅草の激辛せんべいを激辛と思わない人・・・私)は黄金唐辛子もどうぞ。これは結構な辛さですが、不思議とクセになる味です。
唐辛子にんにくのおかげで料理の腕が上がった
正確には「唐辛子にんにくのおかげで料理の腕が上がった」と錯覚する調理ベスト4!
1, とにかく鍋すべて
隠し味は唐辛子にんにく一択!隠さなくても唐辛子にんにく一択!
2,とにかくチャーハン
ひと味足りないとき、お好みでまぜまぜするといきなり別の一品に変身。
3,とにかく野菜炒め
どんな野菜もお肉もこれ一つで特選ご飯のおかずとなりにけり。
4,とにかく麺類
だしの味がうすらとぼけてしまったとき、これひとさじでビビンバ的隠し味出現。
※注意書き
気をつけてくださいね。
唐辛子にんにく(赤)は。一見すると味噌だれ風なのです。コチジャンのような雰囲気を漂わせています。
しかし、あくまでも材料は「唐辛子・にんにく・塩」のみです。だまされてはいけません。
甘味をほんの少しでも期待してどどっと入れすぎると後悔します。ひたすらヒリヒリとの闘いになってしまいます。
入れすぎたっ!と過ちに気づいた場合の「リカバリー調味料」があります。砂糖・みりんではなく「にんにく味噌」を足すのです。
【関連記事:疫学調査が物語るにんにくの驚くべき効能!九州産「無農薬」にんにくもあります】
コレは抜群に調和します。
私は熊本名物の辛子蓮根が好物なのですが、からしを切らしたときは、唐辛子にんにくとヤマアにんにく味噌を混ぜ込んだものを詰めています。
どちらも熊本産、オールクマモトの見事なハーモニー。
絶品です!
「にんにくをもってにんにくを制す」という格言をつくりました。
熊本産唐辛子にんにくはどこで買える?
熊本の隠れ里の逸品、唐辛子にんにくは、ご当地グルメとして熊本の道の駅・直売所などで買い求めることができます。
私が初めて唐辛子にんにくと出会ったのは熊本の道の駅「波野 神楽苑」です。国道57号線沿いで大分との県境にあります。
次によく購入するのは、やはり熊本の道の駅「水辺プラザかもと」です。山鹿市鹿本町にあります。
どちらも地元の農産物・特産品が揃う魅力的な道の駅です。ただ、唐辛子にんにくが常時あるかどうかはお問い合わせください。
通販で購入される場合は、「株式会社いずみ」さんの通信販売サイトを利用する方法があります。(http://goka.sakura.ne.jp/cgi/fureai/cartpro/cart.cgi)
ぜひとも紅葉の季節に五家荘へ
熊本の唐辛子にんにくと平家落人伝説。ともに赤の美学です。
九州山地の奥深くに安住の地を見出した落人は、武器を捨て鍬を持ち畑を耕しました。昔ながらの焼き畑農業が今も伝統的に残っています。
厳しい自然条件のなかで、「豆腐のみそ漬け」などの保存食を生み出したといわれる落人たち。
当時、西洋の唐辛子はまだ日本に伝わってきていませんでしたが、熊本泉の唐辛子にんにくは、落人の保存食文化の流れをくんでいるのではないでしょうか。
赤の美学がもう一つ。
五家荘の紅葉です。
九州山地の紅葉は九州では珍しく赤が主流です。滅びの美学という言葉を思い出します。
ぜひとも紅葉の季節に美しい五家荘をお訪ねください。運転の苦手な方は観光バスでどうぞ。
〇熊本産唐辛子にんにく
・原材料(泉産唐辛子・熊本県産ジャンボニンニク・塩)
・製造元(株式会社いずみ いずみ農林産物流通加工所)
・購入先(熊本県内の道の駅など)
・通販(いずみさんの通信販売)