備蓄におすすめの野菜

生でも美味しい漬けても美味しいらっきょうの効能は?

こんにちは。ジャックです!

らっきょうの効能は素晴らしいです。

福神漬けと並んでカレーの付け合わせに甘んじているらっきょう、食べすぎると臭いといわれ、おならまで気になるらっきょう。

しかし、匂いの強烈なものは美味しくて健康に良いという経験則が、日本人をらっきょうに引き寄せます。

らっきょうの兄貴分のにんにく・玉ねぎ・にら、そして納豆、どれもみな匂うけれど栄養価の高い食べ物ですね。

旬のらっきょうは生が一番栄養豊富です。

塩漬けや甘酢漬けにして保存すれば、常温で1年は美味しいらっきょうを味わえますよ。

生でも美味しい漬けても美味しいらっきょうの効能をご紹介します。

らっきょうの栄養成分・機能性成分と効能

らっきょうは、主にふくらんだ鱗茎(りんけい)部分を食用とする野菜です。

らっきょうには、さまざまな効能をもつ栄養成分が含まれています。

また、機能性(健康維持に大きく役立つ機能的な効果)が期待できる成分、つまり機能性成分も豊富です。

甘酢漬けにすると、らっきょうそのものの栄養は少なくなりますので、漬け汁ごといただきましょう。

生らっきょう・甘酢漬らっきょうの100g当たりの主な栄養成分は、次のとおりです。

成分名らっきょう/りん茎/生らっきょう/甘酢漬単位
廃棄率150%
エネルギー83117kcal
水分68.367.5g
たんぱく質1.40.4g
脂質0.20.3g
炭水化物29.329.4g
灰分0.81.9g
食塩相当量01.9g
ナトリウム2750mg
カリウム2309mg
カルシウム1411mg
マグネシウム141mg
リン357mg
0.51.8mg
亜鉛0.50.1mg
0.60.6mg
マンガン0.450.48mg
ヨウ素14
セレン1Tr ※①
モリブデン143
ビタミンK11
ビタミンB10.07Trmg
ビタミンB20.05Trmg
ナイアシン2.10.1mg
ナイアシン当量※②2.4(0.2)※③mg
ビタミンB60.120.02mg
葉酸29Tr
パントテン酸0.560.03mg
ビオチン0.90.4
ビタミンC230mg
水溶性食物繊維18.61.3g
不溶性食物繊維2.11.5g
食物繊維総量20.72.9g
日本食品標準成分表2020年版(八訂)より

※①Tr…微量

※②ナイアシン当量…食品中のナイアシン量に、食品中のたんぱく質から体内合成するナイアシン量を加えた量

※③( )は推定値

ビタミンB群

らっきょうには、ビタミB群に属するいろいろなビタミンが含まれています。

ビタミンB群とは、B1・B2・B6・B12・ナイアシン・パントテン酸・葉酸・ビオチンのことです。

ビタミンB群は、体内のエネルギー代謝がスムーズにいくように手助けしています。ビタミンB群が不足すると、栄養をうまく取り込むことができません。

ビタミンC同様、水溶性ビタミンです。

血液などの体液に溶け込んでいて、余分なものは尿として排出されます。

過剰摂取の心配はないと考えられているビタミンです。

水溶性食物繊維フルクタン

らっきょうは、ずば抜けて多くの食物繊維を含む野菜です。

なんと100g中20.7gもの含有量!

ニンニクの6.2g・ゴボウの5.7gと比べると、らっきょうの突出ぶりがよくわかります。

らっきょうの食物繊維の大半は水溶性食物繊維です。

水溶性食物繊維といえば、リンゴなどの果皮に含まれるペクチン・こんにゃくなどに含まれるグルコマンナンが思い浮かびますね。

らっきょうに含まれる主な水溶性食物繊維は、フルクタンといいます。栄養成分表には載っていない機能性成分です。

一般に水溶性食物繊維にはよく知られている効能がいくつもあります。

・糖の吸収を遅らせ、食後血糖値の上昇を抑える

・血中コレステロール低下作用

・ナトリウムの吸収抑制による血圧低下作用

・腸内細菌の生育を促進する効果

らっきょうは、いわばフルクタンを食べているようなもの。口臭やおならと引き換えにたくさんの効能を手に入れるわけですね。

なお、らっきょうのフルクタンは、甘酢漬の製造工程中に分解されてしまい、減少することがわかっています。

らっきょうからフルクタンを取り出し、調味液に加味したり、フルクタン入り食品を製造したりと、フルクタンを手軽に補う方法も考えだされています。

[参考:ラッキョウフルクタンの性質とその利用について 福井県農業試験場研究報告]

ビタミンC

らっきょうはビタミンCも豊富です。生のらっきょうには100g中に23gも含まれています。

ビタミンCの効能については広く知られていますね。

近年、ビタミンCの抗酸化作用が注目され、がん・動脈硬化の予防や老化防止の研究が進んでいます。

ビタミン C の生物活性の例をいくつか挙げてみますね。

・抗酸化作用

・コラーゲンの合成と維持

・鉄の吸収促進

・薬物代謝系の合成と維持

・骨形成の促進

・免疫増強作用

・インターフェロンの産生促進

・殺菌ウイルス不活化作用

・抗腫瘍作用

・尿酸低下作用

・利尿作用

・脳機能に関与

[「私とビタミン研究―安定型ビタミン C 誘導体の創製から始まった研究―武藤 徳男氏」より]

カリウム

らっきょうには、100g中230mgのカリウムが含まれています。

よくカリウムで、むくみがとれるといいますよね。

カリウムは細胞の中に多く含まれているミネラルです。

細胞の浸透圧を調整するはたらきをしています。

体外にナトリウムを排出したり、筋肉の収縮・神経伝達をサポートしたり、生命の維持に欠かせない栄養素です。

[参考:厚生労働省e-ヘルスネット

硫化アリルはタダモノではありません

硫化アリルは、らっきょうの独特な匂いや辛みのもとになる機能性成分です。

らっきょうのほかに、玉ねぎ・ニンニク・ニラにも含まれています。名のとおり、イオウ化合物です。

包丁で刻むとアリインという細胞が傷つけられ、それにアリイナーゼという酵素が働いて、アリシンが生成されます。

アリシンの香り成分が交感神経を刺激して体温を上昇させ、マクロファージ(免疫細胞)を活性化するそうです。

このはたらきが風邪予防や脂肪燃焼に効果があるといわれています。

らっきょうは刻んで食べるのが正解ですね。

また、アリシンには強力な殺菌効果があり、風邪・気管支炎の原因となる連鎖球菌・ブドウ球菌などを退治してくれるのです。

さらに、アリシンはビタミン B1 と結合してアリチアミンとなることで、ビタミン B1 の吸収を高めるはたらきをします。

ビタミンB1は、細胞のエネルギー産生になくてはならないビタミンです。

クエン酸回路(TCAサイクル)は、ビタミンB1なしでは機能しません。

クエン酸回路とは、生命がエネルギーをつくり出すためのシステムのことです。

【関連記事:無添加梅干しはクエン酸の宝庫!「梅栗うえてハワイへ行こう」から60年の大山産梅干し

エネルギーがうまく作れなくなると、私たちの体の中で最もエネルギーを消費する心臓・脳は大きなダメージを受けます。

そのビタミンB1の吸収を高める成分がらっきょうには含まれているのです。

ビタミンB1たっぷりの豚肉カレーに添えられるらっきょうは、付け合わせに甘んじているわけではありませんでした。

ビタミンB1とアリシンについては、にんにくの記事でも詳しく説明していますので、よろしければご覧ください。

【関連記事:疫学調査が物語るにんにくの驚くべき効能!九州産「無農薬」にんにくもあります

[参考:「野菜の健康機能(2)ネギ、玉ねぎの辛味成分~硫化アリル~」

らっきょうの効能を生かす食べ方

らっきょうの効能を最大限に生かす食べ方は、「生を刻んで食べる」にかぎります。

しかし、生のらっきょうをそのまま食べるより、塩を振って食べたほうが旨味が増しますよ。

私は、ササっと塩漬けして新鮮なうちに食べきるようにしています。

できるだけ若いらっきょうがおすすめです。

若いらっきょうは小粒ですが、柔らかいので、ついつい食べすぎてしまうのですが、お腹が痛くなることがありません。

旬も終わりかけのらっきょうは、大粒でもしっかりした硬さですので、調子に乗って食べすぎると腹痛とおならに悩まされます。

1 新鮮な泥付きらっきょうを買う

2 泥をサッと洗い流す(ひげ根の泥は気にしない)

3 薄皮をとる(かるくもむようにするとむけやすい)

4 ひげ根と茎を浅く切り落とす(若いらっきょうはひげ根だけでも大丈夫)

5 鍋に入れて塩を振る

6 鍋を振ってらっきょうに塩をなじませる

7 らっきょうを刻む

8 九州の濃口醤油をたっぷりかけて漬け込むようにして「いただきます!」

昔は、必ずかつお節をかけて食べていました。

グルタミン酸の旨味・醤油の甘さ・らっきょうの辛みがまじりあい、夏のご飯の最高の友だったものです。

保存食にらっきょう漬

らっきょうは小粒でもピリリと辛く、その効能は見た目からは想像できませんね。

とくに生のらっきょうは驚くべき効能をもつ栄養成分・機能性成分に富んでいます。

・さまさまなビタミンB群

・大量の水溶性食物繊維フルクタン

・豊富なビタミンC

・浸透圧を調整するカリウム

・ビタミンB1とタッグを組むアリシン

さっと塩を振り生のまま刻んで食べると、らっきょうの効能を生かすことができます。

加工すると栄養成分は減りますが、塩漬や甘酢漬のらっきょうは常温で1年は保存可能です。

生でも美味しい漬けても美味しいらっきょうの効能を上手に取り入れて、体の調子をととのえましょう。

ABOUT ME
ジャック
「体は食べるものでできている」ことを実感したのが、ガン宣告をうけたときでした。術後は海外の情報も集めてひたすら食養生。20年以上前のことになります。2011年からは、地元九州の食材を求めて、道の駅・直売所通いの日々です。
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