今年も自然栽培の新米を戴くことができました。
除草剤を使わず農薬を使わず化学肥料を使わず、手間暇かけて作ってくださった農家の方に手を合わせています。
ただ、自然栽培の玄米に興味があっても、スーパーで気軽に買うことができませんよね。
直売所や通販等で購入する際も、価格設定が高めですので、どれを選べばいいのか慎重になります。
同じ自然栽培米でも、生産者によって作り方は少しずつ異なります。産地・銘柄・価格だけでは、比べようがありません。
こちらの記事では、自然栽培に情熱を傾ける生産者をご紹介します。この人が作ったのなら、買ってみようかな、食べてみたいなというお米が、きっと見つかるはずです。
九州は熊本を中心に、福岡・佐賀・大分、そして山口からも優れた作り手をご紹介します。生産者独自の直販サイトもご案内しますので、お買い求めの際はどうぞご利用ください。
無農薬・無肥料の自然栽培玄米が増えています
道の駅や直売所で、自然栽培の表示を見かけることが多くなりました。九州の直販サイトも、むしろ「無農薬」より多い印象です。
農薬も化学肥料も使わない自然栽培米。日本の田んぼに昔ながらの米作りが戻ってきました。
自然栽培米の世界を知ってしまうと、お米選びの基準が変わってきます。おかげさまで、自然栽培のご飯をいただく毎日です。
一般的な慣行栽培より、収量は少ないうえに作業の手間はかかる自然栽培。あえて、その領域に挑む生産者の姿をご紹介します。
農家直販の自然栽培玄米
自然栽培米は、販路開拓が難しいといわれています。米に限りませんね。個人で栽培したものを、直接売るのは大変です。
・個人でサイトを立ち上げて直販
・小規模のとりまとめサイトを通しての販売
・大手の楽天・Amazonへの出店
こちらでご紹介するのは、主に個人サイトで直販されている生産者の方です。
無農薬・自然栽培といえば熊本県菊池市の原農場
無農薬・自然栽培では、菊池の原農場さんは全国区だと思います。ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんね。
熊本県の菊池は有数の米どころ。平成29年には、菊池川流域の米作りの歴史が、日本遺産に認定されました。野菜の生産や畜産も盛んな農業地帯です。
この地域に行けば新鮮でおいしい農産物・畜産物が何でもそろう!といっても過言ではありません。道の駅や直売所が人気を集めている地域です。
「どこでもドアがあったなら、まず訪れるべき道の駅・直売所」というランキングサイトを今、頭の中でつくりました。ベストテン入り確実です。
そんな土地で、昭和58年(1983年)以来、米・大豆は農薬、化学肥料、有機肥料を使用せず、自然栽培されていらっしゃるのが原農場さん。お子さんの誕生がきっかけだそうです。
無農薬栽培を始めた方のお話には、ご家族の健康のためにという言葉がよく出てきます。愛情が一番強い動機になるのですね。
原農場さんの「安心安全、ちいさな子どもから食べられる作物づくり」のポイントを、いくつかご紹介すると
・稲や麦わらを耕し微生物の力で土づくり
・種も農薬不使用の自家採種
・畔草も含め除草剤不使用
・虫対策は天敵のクモやカエルたちにおまかせ
・熊本名水百選の湧水で栽培
・よそからの農薬飛散対策には緩衝地帯を設けて別収穫
・200種類の残留農薬検査と、放射能検査を毎年実施し不検出
改めて書き出してみると、ただただ感嘆するばかりです。
このヒノヒカリを食べて大きくなる子どもたちの顔を思い浮かべながら作っていらっしゃるのだと思います。
私は、大豆も小麦粉も原農場さんにお世話になっています。誠実さが全体から伝わってくるサイトをどうぞご覧ください。そして是非、玄米を玄米のまま召し上がってみてください。
熊本には自然栽培の生産者が群雄割拠
熊本の自然栽培農家の方々は、原農場さん同様、実に研究熱心です。あちこちに米作り名人あり!さすがは「肥後もっこす」(熊本県人の一途で真っ直ぐな気性を表す言葉)です。
熊本の米作り名人が運営しているサイトをご紹介しましょう。通販サイトも併設されていますよ。
・「楽らく農園」(天草市)…食べる前に見るだけで元気が湧いてくる!
・「健ちゃんファーム」(玉名市)…日本伝統の味!幻の米「旭」に出会える!
・「米光自然農園」(上益城郡御船町)…自然栽培米を作る理由を書籍化も!
複数の生産者さんのお米をとりまとめたサイトも、二つご紹介しますね。商品ページから、生産者の方のプロフィールをご覧ください。
・「自然派きくち村」…そう、あの菊池です!自然栽培米以外にも取り扱い多数
・「阿蘇のなかストア」…地元阿蘇の生産者さんだけを紹介する農業生産法人
福岡の自然栽培玄米
福岡からは、2軒の自然栽培農家さんをご紹介します。
〇「農業 福島園」
まずは、宗像の福島園さん。宗像といえば、世界遺産(「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群)にも指定されている歴史的な土地です。
海の幸山の幸に恵まれ、地元の道の駅「むなかた」は、九州トップの売り上げで知られています。そんな宗像で自然栽培の米作りを営む福島園さんは、やはりタダ者ではありません。
自然栽培の稲作を広め、自然環境の回復を目指す活動をしていらっしゃいます。その名も「宗像日本酒プロジェクト」!福島園さんの代表、福島光志氏が発起人です。
福島氏いわく、「『自然栽培での稲作は難しくない』ことを一般の人や米農家に知ってもらいたい。」と。環境を汚さない自然栽培が広がることで、蛍が住む川になり、海がきれいになると。
自然栽培を軸にして、同業者・異業種の方々そして世の中の人すべてが恩恵を被る活動といえます。高齢化が進む一方で、日本の農業を変えていく若い世代!頼もしいかぎりですね。
〇「筋田農園」
次にご紹介するのは、遠賀郡遠賀町の「筋田農園」さんです。遠賀町は、北部九州の大河、遠賀川の下流に開ける遠賀平野の中心にあります。古来より自然豊かな農耕地帯です。
「筋田農園」さんも、親子二代にわたって自然栽培を続けておられる、まさに名のごとく、筋金入りの田んぼです!「未来の子供たちに良い環境を残す」という使命感が、米作りに生きています。
「筋田農園」さんでは、うるち米の自然栽培米は3種類です。ヒノヒカリ・にこまる・ヒカリ新世紀。
ヒカリ新世紀は、コシヒカリの後継品種です。美味しさはそのままに、コシヒカリより背が低く、倒れにくいという利点をもっています。
サイトのアーカイブに、筋田氏の寄稿文がまとめられています。どれも日本の農業への優れた提言です。一読の価値があります、ぜひどうぞ!
佐賀の自然栽培玄米
佐賀の自然栽培米といえば「自然栽培園北村」さん。日本有数の米どころ、九州の真打、佐賀平野で、自然栽培を貫く気骨ある農家さんです。
代表は、北村広紀さんとおっしゃる方です。北村氏の発想力・行動力は、群を抜いています。「2030年までに自然農法を世界に広げる」という壮大なビジョンをおもちです。
私は、こちらのサイトが立ち上げられてまもなく、たまたま拝見して強い印象を受けました。どなたもそうだと思います。
「百聞は一見にしかず」!どうぞサイトをご覧になり、その心意気と美味しいお米にふれてください。
大分の自然栽培玄米
大分は、国東半島にある豊後高田市の「つきひのおこめ」さん。
豊後高田市は、移住先として注目されている土地です。宝島社の「住みたい田舎ベストランキング」でも、全国で唯一10年連続ベスト3以内に入るという人気ぶりです。
行政の支援が大変手厚く、給食費無料・高校生までの医療費無料・最大100万円の誕生祝い金・保育料や幼稚園授業料完全無料等、子育てには最適な環境ですね。
「つきひのおこめ」さんも、神奈川から移住してこられた新規就農者です。2020年春に就農し、数種類の自然栽培米を手がけていらっしゃいます。
すてきなサイトから、丁寧な米作りの様子がとてもよくわかります。自然栽培で、こんなに早く結果を出せるのですね。
山口の自然栽培玄米
九州のお隣、山口県からもぜひご紹介したい生産者の方がいらっしゃいます。
「くら里木」(くらりこ)さんです。こちらも関東から移住してこられました。移住先は向津具半島です。
向津具半島?ふう〜む、ヨメナイ。むかつく!
そう、向津具半島の読み方は、むかつくはんとう。
読み方はちょっと驚きますが、貴重な原生林の残る土地。森からの豊富なミネラルが田畑を潤します。
かつて、都内の自然食おむすび店にいらした「くら里木」さん。その知識と経験から、目指したのは「生きているお米」!
サイトのトップページの言葉が、向津具半島を選んだ理由をはっきりと物語っています。「山口県向津具半島の原生林の天水でお米を作っています!」
さらにこのこだわりです!
・発芽率90%以上の生きているお米
・残留農薬、放射能ゼロ
・自家採種した種もみ
「くら里木」さんは、山口の「原農場」さんになるのではないか、私は個人的にそう思います。
備蓄におすすめの自然栽培玄米を今こそ!
備蓄におすすめの自然栽培玄米は見つかりましたか?
今回は、九州・山口の自然栽培農家さんをご紹介しました。共通するのは、子どもたちが生きる未来への思いです。
こちらでご紹介できなかった生産者の方々も思いは同じはずです。食の安心安全を守る「守り人」の皆さんに、感謝を込めてこの記事を書きました。
肥料の高騰が話題になっています。今こそ自然栽培ではないでしょうか。私たち消費者が求めれば、自然栽培が当たり前の世の中が来るかもしれません。
備蓄用にそして、普段の食事にも自然栽培の玄米をぜひお求めください。
備蓄食料に玄米をおすすめする理由を、別記事で詳しくご紹介していますので、どうぞご参考に。