キャベツだけのお好み焼き？
玉ねぎだけのお好み焼き？
キャベツ・玉ねぎの味を想像して、頭の中で、何も入っていない小麦粉だけのお好み焼きに入れてみる・・・うう〜む！お世辞にも美味しそうとはいえない・・・。
ところが、これからご紹介する「だけ」お好み焼きは紛れもなく「THE お好み焼き」の王道を行く味です。
お好み焼きの味を決めるのは、生地とソース。
生地とソースがダメダメだと、どんなに豪華けんらんな具材をのせてもまぜても、もっとダメダメになります。
ソースはご当地ソース（九州エリアは断然オタフクソース！）が一番なので、こちらの記事でご紹介したいのは生地です。記事で生地を語る・・・。
生地が良ければ、しかも抜群に良ければ、卵なし・山芋なし・肉なし・魚介なしでも美味しいお好み焼きができます。
生ものの備蓄は困難ですが、良い小麦粉さえあればお好み焼きを我慢しなくてもいいですよという記事を書きました。
玉ねぎ・キャベツ「だけ」お好み焼きの生地
お好み焼きはお店で食べるか家で作るかのどちらか。わざわざお店で食べる場合は、美味しいと評判のお好み焼き屋さんに行きますよね。
お好み焼き屋さんのソースはどこでも美味しく、店内に立ちこめる香ばしさが食欲をかきたてます。
お好み焼きソースの味は大差ありませんので、美味しさを決定づける条件は生地！
お好み焼きは生地の中身と焼き加減がとても大事です。
お好み焼きの名店「きじ」
お好み焼きといえば大阪。
梅田に「きじ」というお好み焼きの名店があります。丸の内や品川でも大阪お好み焼きの看板店として客足が絶えません。
私が初めて訪ねたのは、まだ東京には出店していないころでした。
宿泊先の北区のホテルで、スタッフの方に美味しいお好み焼きのお店を尋ねたところ、教えていただいたのが「きじ」さんです。
梅田スカイビルがすぐそこだったので、本店ではなくスカイビル店に行きました。
ひらがなで「きじ」だと教えてもらっても「生地」だとは思わず、鳥の「雉」だと思い込み、お店の中でそれらしい鳥のマークを探したのを覚えています。
日本語の同音異義語問題に、関西＆九州のイントネーション問題が加わり、小さな誤解が生まれました。
鳥のマークはどこにもなく、「生地」にこだわりがあるから「きじ」なのだと知りました。もちろん味は格別でした。
以来、大阪で一番美味しいお好み焼きの店は「きじ」で、お好み焼きで一番大事なのは「生地」だと思っています。
家で作るお好み焼きの生地
家で作るお好み焼きは、お店の鉄板のような焼き方はできませんが、生地そのものには工夫を凝らすことができます。
昆布・カツオ・鶏ガラなどで出汁をとったり、山芋をすり下ろしたり、生地に旨味を加える方法です。
しかし、こちらでご紹介するお好み焼きは、生地は小麦粉だけ。もちろん、市販されているお好み焼き用の粉ではありません。
正真正銘の小麦粉のみ。ただし、国産の無農薬小麦粉です。
ひとつはシロガネコムギの薄力粉、もうひとつがチクゴイズミの中力粉。これら国産無農薬小麦粉を使ってお好み焼きを作ると目からウロコ！
小麦粉を水に溶いて焼くだけで粘りと旨味のある生地ができます。つなぎは一切なしです。
シロガネコムギの薄力粉はあっさり系、チクゴイズミの中力粉はもっちり系の生地になります。
私が使っているシロガネコムギの薄力粉は、太陽製粉さんの「石臼小麦粉 月いずみ」です。またチクゴイズミの中力粉は、原農場さんの製品です。
くわしい特徴や購入先などは別記事でご紹介しています。
【関連記事：備蓄用小麦粉に加えたい「無農薬」・化学肥料不使用の小麦粉】
玉ねぎお好み焼きは新玉
お好み焼きの生地がおいしければ、具はシンプルなほうが旨味がわかります。
「玉ねぎしかないんだよね」というときこそ、玉ねぎに感謝です。新玉ねぎなら、火のとおりも早いうえに生地に良くなじみます。
お好み焼きの生地に玉ねぎは、とても相性が良い組み合わせです、
白石（しろいし）の玉ねぎは別格
佐賀県の玉ねぎは、北海道に次ぐ収量を誇ります。佐賀県の玉ねぎの7割を占めるのが白石産の玉ねぎです。
何よりその甘みと柔らかさは、玉ねぎ界で知らぬ者はありません。
一度白石の玉ねぎを食べたら、もう元の玉ねぎには戻れない・・・。しかたなく戻っても冷蔵玉ねぎを虎視眈々と狙い、白石の道の駅や直売所を巡る日々が続きます。
白石の玉ねぎなら新玉でなくても新玉のようです。
白石は、日本有数の穀倉地帯佐賀平野にあります。美味しいお米・レンコンの産地としても有名です。
【関連記事：「七夕コシヒカリ」！佐賀には七夕に巡り合える希少な新米があります】
無農薬玉ねぎ発見
なかなか出会えない無農薬玉ねぎ。
九州各地の道の駅・農産物直売所を巡り続けていますが、無農薬の玉ねぎを購入できる所はごくわずかです。
期間限定で数が少ないうえにすぐに売り切れてしまいますので、運よく見つけたら必ず買います。
価格は普通の玉ねぎとほとんど変わりません。もっと高くするべきだといつも思います。
苦労が報われる農業であってほしいです。
一度に大量に必要なときは、長崎県の「百笑会」（長崎県波佐見町の有機農業グループ）さんの玉ねぎを通販で購入しています。
楽天市場などでは「百笑会」玉ねぎ茶として販売されている、九州では名の知れた無農薬玉ねぎです。
キャベツお好み焼きは春キャベツ
お好み焼きの具にキャベツは定番ですね。どんな素材にも名脇役として登場するキャベツ。
さわやかに味を調える万能野菜キャベツが、お好み焼きの具として、主役の豚玉や卵抜きで存在感を発揮します。
春キャベツの柔らかさ
「だけ」お好み焼きのキャベツには、春の新キャベツもおすすめです。
サラダにしても美味しい春キャベツは、お好み焼きにしても柔らかくみずみずしい食感が味わえます。
かために巻いている寒キャベツも、味がしっかりしていてパリパリ感が楽しめるので、私はどちらも好きです。
無農薬キャベツにも時々出会う
立派な無農薬キャベツにも直売所で出会います。しかも、キャベツもまた安いのです。
有難いのですが、心配になります。
農薬・化学肥料不使用、あるいは有機肥料すら使わない自然栽培への関心が高まっていますが、対価が安すぎると持続は困難です。
キャベツにかぎらず無農薬野菜を見つけたら必ず買います。私は、農薬のない田舎で味の濃い野菜を食べて育ちました。
玉ねぎだけ・キャベツだけで本格お好み焼きを
キャベツだけ・玉ねぎだけの「だけ」お好み焼きの美味しさの秘密は生地にあります。
シロガネコムギの薄力粉はあっさり系、チクゴイズミの中力粉はもっちり系。どちらも無農薬です。
生地に旨味があるので具はシンプルな野菜が合います。
玉ねぎなら新玉、キャベツなら春キャベツが、柔らかくてお好み焼きの具に最適です。無農薬玉ねぎや無農薬キャベツが手に入ればいうことなしですね。
さらに椿油を使うと、外はパリッと焼き上がり中身はしっとり。ちょっとぜいたくなお好み焼きになりますよ。
美味しい小麦粉を備蓄して、「だけ」お好み焼きで備蓄生活に潤いをもたらしましょう。
